コロナ禍でお風呂時間の充実を図る方が増え、注目されている「重炭酸温浴法」。
自宅のお風呂で手軽に炭酸泉を再現し、効果もしっかり得られるとあり、テレビや雑誌、SNSでも取り上げられているのをご存知の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
「最近よく聞く重炭酸温浴法ってなに?」
「重炭酸温浴法って、どんな効果があるの?」
「自宅のお風呂で重炭酸温浴法を取り入れるにはどうすればいいの?」
このような疑問にお応えしています。
この記事を最後まで読むことで、今話題の重炭酸温浴法を、自宅のお風呂でも簡単に取り入れることができますよ!
重炭酸温浴法とは?
重炭酸温浴法とは、重炭酸イオンがたっぷりと溶け込んだ「重炭酸湯」にゆったりと浸かる入浴法です。
自宅のお風呂で簡単に実践できる手軽さに加え、効果もしっかりと得られることから、テレビや雑誌で取り上げられたり、重炭酸温浴法にまつわる本が出版されていたりと、注目されていますよね。
重炭酸温浴法の起源は、ドイツの炭酸泉。医療先進国であるドイツでは、ケガや病気の治療に温泉を役立てており、国が指定した健康保養地で採用されているのが、天然炭酸泉を利用した重炭酸温浴療法です。
血流を改善することで、免疫力や抵抗力、治癒力を高め、健康増進を期待できるとされています。
日本では、江戸時代末期に西洋の温泉医学が伝わり、ドイツで温泉治療学を学んだ研究者らによって、昭和初期に研究が進んだと言われています。
しかし、国内の天然炭酸泉は数少なく、とても希少。
その希少な天然炭酸泉のひとつが、大分県竹田市の長湯温泉です。
32℃という低温ながら、長時間入浴することで身体が温まり、冷え性の改善や健康増進に効果があるとされています。
炭酸泉は日本ではとても希少なため、重炭酸温浴法を取り入れたくてもなかなか難しかったのですが、近年、炭酸泉を自宅で簡単に再現し、重炭酸温浴法が取り入れられるアイテムが販売されるようになりました。
それが、重炭酸入浴剤です。
ぬるめのお湯に重炭酸入浴剤を入れるだけで、自宅で手軽に重炭酸温浴法を実践できるだけでなく、効果もしっかりと得られるため、一時は品薄になるほど人気に。
コロナ禍で入浴料の需要が高まったことや、トップアスリートたちが疲労した身体のメンテナンスに使用していることも、重炭酸入浴剤や重炭酸温浴法の人気を後押ししています。
重炭酸湯のしくみ
重炭酸温浴法の起源が天然炭酸泉であるとお伝えしましたが、炭酸泉と聞いてイメージするのは、身体にまとわりつく小さな泡ではないでしょうか。
この泡の正体は、炭酸ガス。
ところが炭酸ガスは、皮膚から取り込まれることはほとんどなく、すぐに揮発してしまうほか、お湯にも溶けにくいのが特徴です。
ここで生まれる疑問が、「炭酸泉って、炭酸ガスが含まれているから効果があるんじゃないの?」ですよね。
実は、先程紹介したドイツの炭酸泉や、大分県の長湯温泉のお湯の環境では、炭酸ガスは存在できないんです。
なぜなら、お湯のpHが中性だから。
しかし、療養泉として効果を発揮しているということは、効果の秘訣が炭酸ガスのほかにあると考えられますよね。
その効果の秘訣が、「重炭酸イオン」です。
ドイツの炭酸泉や、大分県の長湯温泉は、炭酸ガスがお湯の中で中和され、重炭酸イオンに変化し長く留まることで、温浴効果を高めていると考えられています。
重炭酸イオンはお湯に溶けると24時間濃度が持続するため、炭酸ガスのように時間の経過とともに揮発して、効果が薄れる心配がありません。
重炭酸イオンがたっぷりと溶け込んだ「重炭酸湯」が、嬉しい効果をもたらしてくれているんですね。
重炭酸温浴法で得られる効果
重炭酸温浴法で得られる主な効果をご紹介します。
- 疲労を回復する
- 肌のターンオーバーを整える
- 発汗する
- 身体の芯から温まる
- 体温が上がる
- 睡眠の質が良くなる
- 免疫力が向上する
- 自律神経が整う
重炭酸温浴法の最大の効果が、血行が促進されること。血行が良くなることで、巡りが良くなり、新陳代謝を促します。体内の老廃物を排出するため、疲労回復や、お肌を整える効果が期待できます。
また、高い温浴効果により血管が拡張されるため、体温も上昇します。体温が上昇すると、睡眠の質がアップしたり、免疫力も向上すると言われているので、重炭酸温浴法はウイルス対策としても大注目の入浴法ですね!
重炭酸温浴法では、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かるため、自律神経を整えてくれる効果もありますよ。
重炭酸温浴法はこんな方におすすめ!
重炭酸温浴法は、以下のような悩みを抱えている方に、特におすすめの入浴法です。
- 一般的な入浴剤では効果を感じられなかった方
- 日々の疲れをお風呂でしっかりリセットしたい方
- 冷え性の方
- 妊活中の方
- 眠れない日が続いている方
- 免疫力を高めたい方
重炭酸温浴法は、トップアスリートたちが疲労した身体のリカバリーやメンテナンスに活用するほど、効果的な入浴法。
これまで一般的な入浴剤を使用しても効果を感じられなかった方や、蓄積した疲れをしっかりとリセットしたい方におすすめできます。
また、重炭酸温浴法によって体温の上昇が期待できるため、冷え性に悩む方や低体温の方にもおすすめです。
低体温は、不妊の原因のひとつとも言われています。妊活中の方は、重炭酸温浴法を取り入れて、基礎体温を上げると効果的かもしれませんね。
体温が上がることで、睡眠の質も向上します。眠れない日が続く方にも、ぜひ試してみてください。
体温が上がると免疫力も上がるため、コロナ禍で免疫力アップを図りたい方にもおすすめです。
自宅で重炭酸温浴をする方法
それでは、重炭酸温浴の方法をご紹介します。
自宅のお風呂でも簡単に取り入れることができるので、ぜひ試してみてくださいね!
重炭酸温浴法を自宅で取り入れる方法は、以下の3ステップです。
STEP1:重炭酸入浴剤を準備する
STEP2:ぬるめのお湯に重炭酸入浴剤を入れる
STEP3:15分以上ゆったりと入浴する
順番に解説していきます!
STEP1|重炭酸入浴剤を準備する
自宅で重炭酸温浴法を取り入れるためには、重炭酸湯を作ることが必要ですよね。
そこで準備しなければならないのが、重炭酸入浴剤です。
重炭酸入浴剤をお風呂に入れることで、自宅でも簡単に重炭酸湯を作ることができます。
重炭酸入浴剤は、炭酸系入浴剤の一種として紹介されることが多いため、一般的な炭酸系入浴剤との見分け方が難しいところ。
パッケージに「重炭酸」と書かれていたり、持続時間が24時間など長めであれば、重炭酸入浴剤と考えられます。
また、1回分が300円程度と、一般的な入浴剤に比べて価格が高めなのも特徴です。
逆に、持続時間が2時間程度と短いものは、一般的な発泡タイプの入浴剤である可能性が高いので、注意しましょう。
重炭酸入浴剤については、こちらの記事「重炭酸入浴剤の効果とは?きめ細やかな泡でワンランク上のお風呂タイムを!」で詳しく解説しています。重炭酸入浴剤選びの参考に、ぜひご覧ください。
STEP2|ぬるめのお湯に重炭酸入浴剤を入れる
重炭酸入浴剤を準備したら、ぬるめのお湯に入れて溶かします。ここで気を付けたいのが、お湯の温度です。
一般的には、重炭酸温浴法には、36°C〜40℃のお湯が良いとされています。ぬるめのお湯に入浴することで、自律神経のバランスが整えられ、筋肉の緊張をほぐし、血管が拡張されるからです。
高い温浴効果で血流を促進させるために、ぬるめのお湯が重要な役割を果たしていることがわかりますね。
また、41℃以上の熱いお湯での入浴は、身体に負担がかかってしまいます。
少しぬるく感じるくらいの温度でじっくり芯まで温まる方が、身体に負荷がかからず、温浴効果もしっかりと得ることができますよ。
夏は体温と同じか少し上くらいの36°C〜37℃、冬は40℃以下がおすすめです。
1回の入浴に必要な重炭酸入浴剤の分量を確認することも忘れずに。多くの重炭酸入浴剤は、1回に複数錠のタブレットを使用することを推奨しています。
ブランドや商品によっても1回に必要な分量は異なりますので、必ず事前にパッケージを確認しておきましょう。
また、商品によっては、規定の分量を使用すると効果が強すぎると感じる方もいるようです。不安な方は、事前に口コミ等をチェックして、規定よりも少なめの量から試してみても良いかもしれませんね。
STEP3|15分以上ゆったりと入浴する
重炭酸温浴法は、15分以上ゆったりと入浴することで、効果を得られるとされています。なぜなら、入浴を開始して10分が経過した頃から、血流が上がっていくからです。
しっかりと身体を芯から温めるには、最低でも15分は入浴するようにしましょう。
また、重炭酸温浴法は、30分以上の入浴で、より効果が得られると考えられています。
ひどい不調を感じている方や、時間に余裕がある方は、ゆっくりと30分入浴すると、より高い満足感が得られるでしょう。
重炭酸温浴法を取り入れて、お風呂時間を充実させよう!
最近話題の重炭酸温浴法について解説してきました。
重炭酸温浴法は、36℃〜40℃のぬるめのお湯に15分以上ゆったりと浸かることで、温浴効果を高めて血行を促進する入浴法。
重炭酸入浴剤を使用することで、自宅でも簡単に取り入れることができます。
重炭酸湯での入浴直後は身体がとても温まっているため、就寝の30分〜1時間前に入浴を終えておくと良いそうです。
重炭酸入浴剤について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も要チェック!
ぜひご自宅で重炭酸温浴法を取り入れて、お風呂時間を充実させてみてはいかがでしょうか。