「入浴剤の種類がたくさんありすぎて、よくわからない!」
「効果で入浴剤を選ぶと良いって聞いたけど、どの成分にどんな効果があるの?」
このような悩みを抱えていませんか?
この記事では、入浴剤の種類と成分について、わかりやすく解説しています。
主要な入浴剤の種類ごとに、効果とメカニズムについても説明していますので、
最後まで読むことで、求める入浴剤に一歩近づくことができますよ!
入浴剤の種類と成分まとめ表
一口に入浴剤と言っても、実に多種多様ですよね。
そこで、まずは入浴剤の主な種類と成分について、表を利用しながら確認していきましょう。
入浴剤は、構成される成分によって、以下の6種類に分類されています。
- 無機塩類系
- 炭酸ガス系
- 薬用植物系(生薬系)
- 酵素系
- 清涼系
- スキンケア系
それでは、それぞれの成分や剤型、配合の目的を見てみましょう。
入浴剤の種類一覧表
先に述べた通り、入浴剤は、構成される成分によって大きく6種類に分けられています。
入浴剤にはさまざまな形状のものがありますが、実は構成される成分によって、剤型がある程度限定されてくるそうです。
入浴剤の種類ごとの主な成分と剤型は、以下の通りです。
入浴剤の種類 | 主な構成成分 | 主な剤型 |
---|---|---|
無機塩類系 | 無機塩類を主成分とし、保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加したもの。 | 粉末
顆粒 |
炭酸ガス系 | 炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩と有機酸類を組み合わせて配合し、保湿剤、色素、香料、その他の成分を添加したもの。 | 錠剤
粒状 |
薬用植物系
(生薬系) |
生薬類をそのまま刻んだものと、生薬エキスを取り出して無機塩類等と組み合わせたものがある。 | 粉末
顆粒 液体 生薬の刻み |
酵素系 | 酵素を配合したもので、無機塩類と組み合わせることが多い。 | 粉末
顆粒 |
清涼系 | 無機塩類系や炭酸ガス系の基剤に、清涼成分等により冷感を付与させ、入浴後の肌をサッパリさせたもの。 | 粉末
錠剤 |
スキンケア系 | 保湿成分を含むもの。白濁するものや無機塩類に保湿成分を含ませたもの。 | 液体
粉末 |
お店にたくさん並んでいるとなんだかよくわからない入浴剤も、このように種類ごとに分類してみると、比較的わかりやすいのではないでしょうか。
また、各種類の剤型を知っていると、剤型で入浴剤の種類を推測することができますね。
成分の配合目的
6種類に分類される入浴剤はそれぞれ、目的に応じて成分が配合されています。
各種類の主な成分とその配合目的は、以下の通りです。
配合目的 | 主な成分 | |
---|---|---|
無機塩類 | 入浴による温熱効果や清浄効果を高めたり、湯を軟らかくする。 | 炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム(食塩)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸マグネシウム、メタケイ酸ナトリウム |
生薬類 | 入浴による温熱効果を高める。 | ウイキョウ、オウゴン、オウバク、カミツレ、コウボク、米発酵エキス、ジュウヤク、ショウブ、センキュウ、チンピ、トウキ、トウヒ、トウガラシ、ニンジン、ユズ、ヨモギ、ボウフウ、ハッカ葉、ショウキョウ、甘草、ケイヒ |
酵素類 | 皮膚を清浄にする。 | パパイン、パンクレアチン、蛋白質分解酵素 |
有機酸類 | 重曹等の炭酸塩と組み合せて配合し、湯のpHを調整して炭酸ガスを発生する。 | コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、酒石酸、乳酸 |
保湿剤(油成分を含む) | 肌をしっとりさせる。 | 液状ラノリン、ホホバ油、グリセリン、カゼイン、ステアリルアルコール、オリーブ油、大豆油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、脱脂粉乳、スクワラン、ハチミツ、ポリエチレングリコール、コメ胚芽油 |
着色剤 | お湯に色をつける。 | リボフラビン(ビタミンB2)、カロチン、クロロフィル、色素[黄色202号-(1)、黄色4号、青色1号、緑色201号、緑色204号等] |
その他 | 無水ケイ酸、カンフル、サリチル酸メチル、テレビン油、メントール、デキストリン、酸化チタン、香料 |
あなたが入浴剤に求める効果があるのなら、その効果のもとになる成分が配合されているかを確認すると、失敗なく入浴剤を選ぶことができますよ。
浴用剤(入浴剤)で認められている効果効能
医薬部外品として認められている入浴剤の効果効能は、次の通りです。
- あせも
- 荒れ性
- うちみ(打ち身)
- 肩のこり(肩の凝り)
- くじき
- 神経痛
- しっしん(湿しん)
- しもやけ
- 痔
- 冷え症
- 腰痛
- リウマチ
- 疲労回復
- ひび
- あかぎれ
- 産前産後の冷え症
- にきび
入浴剤は上記の範囲内であれば、一定の濃度で有効成分を配合することで、効果効能を訴求することが認められています。
入浴剤のパッケージをチェックしてみると、上記の効果効能が記されているはずです。
あなたの求める効果効能が記載されているか、確認してみてくださいね。
入浴剤の効果とメカニズムを解説
入浴剤の成分や剤型、配合の目的が理解できたところで、各タイプの入浴剤の効果とメカニズムを解説していきます。
6種類の入浴剤の、おすすめの使用シーンはこちら。
- 無機塩類系:冷えを改善してしっかり温まりたい時に
- 炭酸ガス系:疲れを取りたい時に
- 薬用植物系(生薬系):肩こりや腰痛を解消したい時に
- 酵素系:お肌のゴワつきが気になる時に
- 清涼系:さっぱりしたい時に
- スキンケア系:お肌にうるおいが欲しい時に
入浴剤の効果やメカニズムがわかると、より自分に合った入浴剤を選べるようになりますよね。
それでは、一種類ずつ確認していきましょう。
無機塩類系入浴剤
無機塩類系入浴剤は、その名の通り無機塩類を主成分とした入浴剤です。
温泉のもとやバスソルトは無機塩類系入浴剤に分類されます。
無機塩類系入浴剤に含まれるミネラルなどの塩類が、皮膚表面のタンパク質と結合して保護膜を形成します。
この保護膜がベールのような役割を果たし、身体から熱が逃げていくのを防いでくれるため、入浴後も保温効果が続いて湯冷めしにくいのが無機塩類系入浴剤の特徴です。
下の図は、さら湯と無機塩類系入浴剤を使用したお湯で入浴した際の、入浴前後の皮膚の表面温度の変化を表したグラフです。
無機塩類系入浴剤を使用したお湯に入浴すると、入浴後も保温効果が持続し、皮膚温度の低下が抑えられていることがわかりますね。
保温効果が高いため、冷えが気になる方や、しっかりと温まりたい方におすすめの入浴剤です。
無機塩類系入浴剤の商品紹介
値段:850g 2,640円(税込)/40g 165円(税込)
特徴:ユーカリの香りが穏やかに広がるバスソルトです。喉や鼻の不快感を解消してくれるため、花粉の季節はもちろん、風邪をひきやすい冬場にも大活躍してくれます。香りが甘くないため、男性でも使いやすいのが嬉しいポイント。さらに、残り湯を洗濯に使用できるため、節水まで叶えてくれる優れものです。家族みんなで使えて、みんなにやさしい入浴剤です。
炭酸ガス系入浴剤
炭酸ガス系入浴剤は、シュワシュワと発泡しながらお湯に溶けていく様が見ていて飽きないですよね。このタイプの入浴剤は、炭酸ガスによる血管拡張作用が期待できます。
炭酸ガスはお湯に溶けると皮膚から吸収されて皮下に入り、血管を広げます。血管が広がると、末梢血管の抵抗が弱まって血圧が下がり、血流が増加するそうです。
下の図を見ると、炭酸ガス系入浴剤を使用した場合の血流量がアップしていることが確認できますね。
血流が増加して血行が促進されることで、全身の新陳代謝が活発になり、疲れや痛みを緩和してくれます。
そのため、疲れが溜まっているなと感じる方には、炭酸ガス系入浴剤の使用がおすすめです。
身体に吸収された炭酸ガスは、呼吸によって肺から体外へ出ていきます。
身体の中に蓄積したり、身体に害をもたらすことはありませんので、安心してくださいね。
炭酸ガス系入浴剤の商品紹介
値段:3回分(9錠入り)990円(税込)/10回分(30錠入り)2,750円(税込)/30回分(90錠入り)6,600円(税込)
特徴:
炭酸ガス系入浴剤の中でも、特に効果を感じやすいと言われている「重炭酸入浴剤」です。SNSに投稿された口コミをきっかけに大人気となりました。無香料・無着色で、女性だけでなく男性からの支持も得ています。
身体や環境にやさしい成分で作られているため、敏感肌の方や小さなお子さまでも安心して使用できます。1回3錠の使用が推奨されていますが、口コミの中には「3錠入れると効きすぎる」という声も。心配な方は、最初は少量で試してみると良いでしょう。
薬用植物系入浴剤
古くから効果が認められており、日本だけでなく欧米でも医療薬として注目されている生薬。そんな生薬を刻んだり、生薬から取り出したエキスを配合して作られているのが、薬用植物系入浴剤です。
薬用植物系入浴剤は、入浴による温浴効果を高めてくれるとされています。使用されている生薬の種類によっても異なりますが、
たとえば、トウキやトウガラシ、センキュウには血行促進効果が認められており、肩こりや腰痛の改善に効果的です。
また、生薬が配合されているため独特の香りがあり、香りによるリラックス効果も期待できる入浴剤です。
薬用植物系入浴剤の商品紹介
商品名:ツムラのくすり湯 バスハーブ
値段:210mlタイプ(約21回) 1,564円(税込)/650mlタイプ(約65回) 2,409円(税込)
特徴:生薬から抽出したエキスを配合した、液体タイプの入浴剤です。液体タイプの利点は、量を調整しやすいこと。生薬の独特な香りも、2〜3回使用すれば慣れてくるとの声が多いため、初めて薬用植物系入浴剤を使用する方でも、比較的挑戦しやすいのではないでしょうか。自然な草色のお湯にゆったりと浸かれば、身も心もポカポカに。高い温浴効果で、肩こりや腰痛も緩和してくれますよ。
酵素系入浴剤
酵素とは、生物の体内に存在しているタンパク質の一種です。人間の身体にも体内酵素があり、消化や吸収、分解などの役割を担っているそうです。
酵素系入浴剤は、皮膚に過度な負担や刺激を与えずに、古くなったタンパク質や脂質を分解し、清浄にしてくれます。
お化粧やホコリなどの外的要因によって、汗腺や毛穴に入り込んでしまった老廃物にも働きかけてくれるため、清潔でなめらかなお肌が手に入りますよ。
お肌のゴワつきが気になるなら、ぜひ試してみてほしい入浴剤です。
酵素は一般的に熱に弱いとされていますが、中でも熱に強いパパイン酵素が配合された酵素系入浴剤は、温かいお湯の中でもしっかりと作用してくれるため安心です。
酵素系入浴剤の商品紹介
値段:60包 3,670円(税込)
特徴:角質を分解してくれるパパイン酵素が配合された入浴剤です。肌トラブルの原因である古い角質や垢を無理なく落としてくれるだけでなく、3つの温泉成分が配合されているため、温浴効果も得られます。水道水の塩素も分解してくれるため、お湯の肌あたりも良く、一番風呂でも刺激が少ないのが嬉しいですね。グリーンのお湯とやさしいローズの香りで心安らぐお風呂時間が過ごせます。
清涼系入浴剤
入浴後のさっぱり感が特徴の、清涼系入浴剤。「入浴後に汗が出るとベタつきが気になる」という方におすすめできるタイプの入浴剤です。
メントールが配合されたものは、冷たさを感じる神経が刺激されるため、お風呂上がりのさっぱり感もひとしお。皮膚温度自体は変わらないため、しっかりと身体を温めながら、爽快感も味わえますよ。
お湯の色も青を基調にしたものが多く、視覚的にも涼やかな清涼系入浴剤。暑い夏の入浴にぴったりの入浴剤です。
清涼系入浴剤の商品紹介
商品名:バスロマン スーパークールタイプ
値段:884円(税込)
特徴:冷感メントールとペパーミントエキスが配合された、爽やかなクールタイプのバスロマンです。クールミントブルーのお湯と、スーパークールミントの香りで、視覚的にも嗅覚的にも爽快な気分にさせてくれます。温泉成分も配合されているため、温浴効果もしっかりと感じられます。身体をきちんと温めながら、スーッと汗がひくような爽快感も得られる、夏にぴったりの一石二鳥な入浴剤です。
スキンケア系入浴剤
保湿成分が配合されているスキンケア系入浴剤は、入浴中に保湿成分が皮膚に吸着浸透するため、うるおいのあるお肌に仕上げてくれます。
手の届きにくい背中なども含め、入浴しながら全身のスキンケアが叶うのが特徴です。
お肌の水分は、お風呂から上がるとすぐに、どんどん蒸発していきます。乾燥のひどい冬場はなおさら、お肌のかさつきが起こりやすいそうです。
スキンケア系入浴剤を使用することで、お風呂で温まって毛穴が開いた状態のお肌に、保湿成分が馴染んでいきます。
そのため、お風呂上がりに急いで保湿をしなくても、乾燥を防ぐことができますよ。また、入浴によってやわらかくほぐれたお肌は、保湿成分が浸透しやすくなっています。
保湿成分がお肌の表面だけでなく、角層の内部にまでしっかりと浸透していくので、お風呂上がりのお肌がしっとりすべすべになるのです。
スキンケア系入浴剤の商品紹介
商品名:キュレル 入浴剤
値段:1,100円(税込)
特徴:乾燥肌や敏感肌の方に人気のキュレルシリーズの入浴剤です。着色料や香料、アルコールが使用されていないため、お肌に余計な刺激を与えないだけでなく、香りが苦手な方でも使いやすいのが特徴です。入浴後のお肌の質感が良く、乾燥によるかゆみに悩んでいる方にもおすすめ。液体タイプで簡単にお湯に溶かすことができるため、お湯に入れてすぐに入浴ができるのも嬉しいポイントです。
入浴剤がなくても大丈夫!入浴によって得られる作用とは
ここまで、入浴剤の種類や成分についてお話ししてきました。入浴剤のさまざまな効果を知ると、「入浴剤を使わないと、お風呂に入っても効果はないの?」と感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
しかし、不安に思う必要はありません。
入浴剤を使わずとも、入浴そのものが効果的なのです。入浴剤は、入浴の効果をより高めるためのもの。
入浴すること自体に意味がありますから、入浴剤が手元になかったとしても、安心して入浴してくださいね。
入浴をすると、主に3つの作用が身体に働きかけると言われています。
- 温熱作用
- 水圧作用
- 浮力作用
この3つの作用を上手に利用すれば、入浴剤を使用しなくても、効果的な入浴にすることができますよ。
それでは、それぞれどんな作用なのか確認していきましょう。
温熱作用
温熱作用とは、温かい湯船に浸かることで身体が温まることです。入浴によって体温が上昇すると、毛細血管が広がって血流が促進されます。
血流が促進されると、身体の中に溜まっている老廃物や疲労物質が体外へ排出されやすくなるほか、血液が身体の隅々まで酸素や栄養素を運んでくれるため、疲れが和らぐといわれています。
入浴するお湯の温度によって、温熱作用の効果は異なります。
- 熱めのお湯(42〜44℃):交感神経が働き、気分がスッキリして活動的になる
- ぬるめのお湯(35~38℃):副交感神経が働き、リラックスして安らぎを得られる
入浴することでシャキッとしたい場合は熱めのお湯で、落ち着いた気分になりたい時はぬるめのお湯で入浴すると良さそうですね。
水圧作用
お風呂に浸かることで、身体は水圧を受けて小さくなります。胴回りは3〜6cm、胸回りは1〜3cm小さくなるそうです。
腹部にかかる水圧によって横隔膜が押し上げられ、肺の容量が少なくなると、空気の量が減っていきます。
減少した分の空気を取り入れようとして呼吸数が増えると、血液がポンプのように押し戻され、心臓の動きが活発になるそうです。そうすると、温熱作用と同様に、全身の血行が良くなります。
血流だけではなく、リンパの流れも良くなるため、むくみや冷えの解消にも効果的だそう。
お風呂の水圧によって、全身マッサージのような効果を得られるなんて、嬉しいですね。
浮力作用
お風呂に浸かると、身体は浮力を受けて軽くなります。どれくらい軽くなるのかというと、なんと体重の9分の1の重さになるのだそう!
お風呂の中では身体が重力から解放されるため、普段身体を支えてくれている筋肉や関節の緊張がほぐれていきます。
そのため、だるさを感じにくくなったり、身体が軽くなったりするそうです。
また、筋肉や関節の緊張がほぐれて負担が軽減されると、脳への刺激も減少します。身体だけではなく心もリラックスできるのは、実は浮力作用のおかげなんですね。