皆さんは「バイオエタノール暖炉」をご存知ですか。バイオエタノール暖炉は、有害物質を出さないため地球に優しく、マンションなどにもおける暖炉として最近注目が高まっています。
ここでは、「バイオエタノール暖炉ってそもそも何?」「バイオエタノールのメリット・デメリットは?」「どんな商品が販売されている?」などの疑問に答え、タイプ別の商品例などもご紹介します。
バイオエタノール暖炉とは
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バイオエタノール暖炉とは、バイオエタノールを燃料に使用する暖炉のことです。このバイオエタノールは、サトウキビやとうもろこしなどの植物から作られます。
バイオエタノール暖炉の特徴は、煙を出さずに使用できるということです。
部屋を煙やすすで汚す心配も無く、有害物質も出さないため健康面にも安心して使用できます。
近年は地球温暖化問題が深刻化し、地球に優しい資源や商品が注目されています。そのような流れにおいて、バイオエタノール暖炉は二酸化炭素を出さない暖房器具として期待されています。
バイオエタノール暖炉のメリット
メリット① 設置可能場所が多い
バイオエタノール暖炉は水とバイオエタノールだけで燃焼するため、配管が不要です。さらに、煙も出さないため、煙突をつける必要がなく、マンションでも設置可能です。
煙突工事や配管工事が不要なため、大々的な工事をすることなく、購入後すぐに取り付けることができます。
また、後付けがしやすいという点も魅力です。煙突が必要な薪の暖炉だと、家の構造上一軒家であっても設置できない場合がありますが、バイオエタノール暖炉はその心配がありません。
メリット② デザインの幅が広い
薪を使わないため、普通の暖炉に比べると雰囲気が出ないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、そのような心配はいりません。
暖炉の正面はガラス張りになっており、薪が燃えるときよりも綺麗に火が燃える様子を見ることができます。
さらに商品も多くの色や種類があり、家の雰囲気に合うデザインのものを選ぶことができます。
部屋のインテリアに合わせて自分好みにデザインをカスタマイズすることも可能です。
メリット③ メンテナンスが楽
薪を使用する暖炉は、煤や煙のために、大がかりな掃除を定期的にしなければなりません。また、煙突の内部は素人が簡単に掃除できないため、お金を払って業者を呼ぶ必要もあります。
一方のバイオエタノール暖炉は、もちろんそのような汚れが発生しないため、時々暖炉の内部を拭いたり、ほこりを払ったりするだけで掃除が完了します。時間の節約にも、お金の節約にもなりますね。
メリット④ 安全性が高い
バイオエタノール暖炉は、上記したように一酸化炭素などの有毒物質を排出しません。
一般的な暖炉のデメリットとしては、燃料の不完全燃焼によって引き起こされる一酸化炭素が発生する可能性があります。
バイオエタノール暖炉は、過度にそのような心配することなく使用することができます。
しかし、どうしても二酸化炭素は出てしまうため、こまめに換気をすることが肝要です。
メリット⑤ 薪よりコストパフォーマンスが良い
バイオエタノール暖炉のデメリットとして、下にも挙げたように燃費が悪いことがよくいわれますが、実は薪よりも安く運用できます。
バイオエタノールの燃料価格は1リットル約500円なので1ヶ月だと2万円~3万円ほどかかります。一方、薪は同じくらいの時間使用すると5万円~6万円ほどかかるといわれています。
バイオエタノール暖炉のデメリット
デメリット① 燃費が悪い
他の石油ストーブやエアコンなどの暖房器具と比較すると、どうしてもバイオエタノール暖炉の燃費は悪い傾向にあるといえます。
おしゃれで、炎の燃える様を楽しめるメリットの一方で、暖房費はなるべく安く済ませたいという方にはかかる費用が高く感じられるかもしれません。
デメリット② 燃料の価格が高い
トウモロコシやサトウキビから作られるバイオエタノール燃料は、1リットルで500円ほどかかります。そして、暖炉の大きさにもよるので一概には言えませんが暖炉を1時間使用するのに使う燃料は0.5リットルほどであるといわれています。そのため、1時間で250円分の燃料を使用することになります。
平均的な石油ストーブは1時間に0.2リットル消費するといわれています。2021年9月の時点で石油の価格は1リットルおよそ100円なので、石油ストーブの方が燃費は良いと言えます。
燃費やコストについては「バイオエタノール暖炉の燃料はどこで買える?燃費やコストも調査しました」こちらの記事でシミュレーションをしているので参考にご覧ください。
デメリット③ 本体価格が高め
バイオエタノール暖炉は、サイズが様々であるため一概にはいえませんが、リビングなど広い場所に置く大きめのものだと30万円から40万円ほどするものがあります。
お試ししたいという方はまずは小さめのサイズから試してみるのがいいかもしれません。
バイオエタノール暖炉の種類と目的別選び方
バイオエタノール暖炉には、工事をすることで部屋に埋め込むビルドインタイプや置き型タイプなど、様々な種類の製品があります。
ここでは用途別の製品例や、目的に応じた選び方を紹介します。
部屋に置く
家に後付けできるのが置き型タイプの暖炉です。床に置くタイプが最も一般的ですが、壁にかけるタイプや壁際に置くタイプなど、少し変わったデザインのものもあります。
ここでは床に置くタイプを紹介します。
KRATKI SIERRA
KRATKIは、ポーランドの総合暖炉メーカーです。ヨーロッパの厳しい安全基準を満たしつつ、購入しやすい価格設定とスタイリッシュなデザインが魅力です。
KRATKI社の暖炉は、幅が狭いタイプが多いので、部屋の限られたスペースにおきたい方におすすめです。
SIERRAは、置き型の暖炉で、まるで埋め込み型のような統一感のあるデザインが特徴です。どのようなインテリアにも合うような色合いになっています。
ebios-fire ELIPSE Z
エリプスZは、ドイツの有名な暖炉のブランドであるebios-fireの中でも人気のモデルの一つで、世界規模のデザインコンペの高品質デザイン部門で、年間最優秀製品賞を受賞した商品です。
置き型タイプで、その洗練されたデザインは部屋のどこに置いても映えます。
この暖炉に使用されているバーナーはebios-fireが特許を取得しているもので、最も高い安全性を誇っています。
ドイツの安全規格であるTUV SUDの認証もあるので、安心して使用できます。
ドイツ
Ebios-fireの大人気機種elipse-Zhttps://t.co/retamG9l1eヨーロッパの厳しい安全規格TUV認証済#バイオエタノール暖炉#ドイツ製#リーベン#leben pic.twitter.com/wFy7Mro6Pw
— 公式)リーベン (@leben2018) June 4, 2020
これから建てる家に設置する
家の新築時や改築時に部屋を工事して埋め込むタイプの暖炉もあります。工事が必要とはいえ、薪の暖炉と比べ煙突工事がない分簡単に工事をする事ができます。
部屋の構造に合わせて組み込めるので、インテリアとの調和は抜群です。
KRATKI JULIFT
壁掛けのビルドインタイプの商品です。
KRATKI社の暖炉は床おきタイプのものも紹介しましたが、最も有名なのがビルドインタイプの商品です。
幅が1.8メートルあり、かなり大型の製品であるため、リビングなどの広い場所にしか設置できません。しかし、それだけに迫力があり、本格的に暖炉を堪能したい方におすすめです。ステンレスフレームの現代的なデザインになっており、設置すると部屋の雰囲気が一変します。2バーナータイプであるため、部屋のどこからでも炎を楽しめます。
工事は必要ですが、マンションなどの集合住宅にも設置可能です。
ebios-fire Quadra Insideシリーズ
ebios-fire社のQuadra Insideシリーズはビルドインタイプで、幅が3種類、カラーが2種類展開されています。
設置する部屋のサイズに合わせて柔軟に選べるため、小さめの部屋の方でも大きめの部屋の方でも取付けられます。
炎が横幅いっぱいに燃える仕様になっているため、存在感があります。
暖炉メーカー大手の商品であるため、安全面も安心です。
机やデスクで楽しむ
手軽に楽しみたいときやバイオエタノール暖炉を試してみたいという段階のときは卓上に置く小型のものがおすすめです。
KRATKI TANGO3
シンプルでコンパクトなサイズが特徴のバイオエタノール暖炉です。余計なものがついていないデザインになっているため、炎の揺らぎだけを鑑賞するのにぴったりです。
4面がガラス張りになっているため、どの角度からも炎が楽しめ、さらに安全性にも気が配られています。
室内だけではなく、屋外でも使用できるため、キャンプなどにもおすすめです。
LIVINFRAME パッション・グラス・デラックス
この商品の特徴は、炎が高くなる気流設計が施されている事です。これにより、高さのある炎が出て、小型でも迫力のある炎を楽しめます。
耐久性に優れており、万が一倒してしまっても引火しないような構造になっています。バイオエタノール暖炉を試してみたい方でも購入しやすい、リーズナブルな価格も魅力です。
関連記事:小型バイオエタノール暖炉おすすめ5選
バイオエタノール暖炉を実際に見ることはできる?
バイオエタノール暖炉は、インターネットなどで手軽に購入することができますが、実際にお店に足を運んで目で確かめたいという方もいらっしゃると思います。
しかし、バイオエタノール暖炉の展示が豊富なお店は限られてくるため、ショールームや導入施設に行ってみるのもおすすめです。
ショールームで見学
今回紹介するのが「EcoSmart Fire」(エコスマートファイヤー)のショールームです。
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EcoSmart Fireは、2002年にオーストラリアで生まれた、バイオエタノール暖炉の先駆けとなったブランドです。
このブランドの商品には、屋内や屋外に、場所の制約なしに設置することができる「FREE STANDING」(置き型)シリーズと、リノベーションをしたり新築したりするときに適した「BUILT IN」(埋め込み型)シリーズがあります。
Ecosmart Fireは、遠方に住んでいて直接出向くのが難しい方向けにオンラインミーティングで暖炉を見学できるサービスを行っています。
このミーティングでは、実際のショールームと同じように、オンライン上で炎を見ながら専門の店員が質問などに答えてくれます。
様々な事情で出かけるのが難しい方にも嬉しいサービスですね。インターネットで簡単に予約できるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
もちろん、実際のショールームも東京や大阪にあるので、近くにお住まいの方は実際に足を運ぶのも一つの方法です。
さらに、このブランドの商品は安全性を心配される方にもおすすめです。
なぜなら、暖炉に使用されているバーナーは業界で初めてUL認証やSITAC認証などの国際的安全規格を取得しているからです。
SITAC認証はスウェーデンの工業規格で、基準が厳しいことで有名な規格です。そしてUL認証は、火災を起こさない製品と認定された商品に付与される規格です。これらの認証により、安全性と品質にこだわって作られた暖炉だとわかります。
導入施設で見る
バイオエタノール暖炉を導入している施設は、数は少ないですが複数の店舗や施設で設置されています。住宅展示場だけでなく、商業施設やホテル、そしてレストランにも普及が進んでいます。
具体的な例をいくつかご紹介します。実際の例を見ることで、置いたときのイメージやインテリアの案などが浮かぶかもしれません。設置を検討されている方には参考にしていただければと思います。
①インターコンチネンタル横浜Pier8
このホテルは、風や海など、自然の揺らぎがテーマとなっています。その中に暖炉が取りこまれ、インテリアの一つになっています。
インターコンチネンタル横浜Pier8では、エントランスホールとスイートルームに設置され、バイオエタノール暖炉の火の揺らぎが、ホテルの空間に溶け込み、上品な雰囲気になるよう演出されています。
メンテナンスが容易なことも設置の決め手となったそうです。
②星のや富士
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富士山麓にあるグランピングリゾートの星のや富士にもバイオエタノール暖炉が設置されており、宿泊客の体験の一つにもなっています。
星のや富士では、客室のテラスに小さめの暖炉が設置されています。バイオエタノール暖炉の特色として、風に強く、多少の雨では火が消えないというものがあります。この特色を生かし、このホテルではガラスパーティションを設置せずに火をそのままインテリアの一つとして取り入れています。
夜景と暖炉の火のコントラストが楽しめ、他ではできない体験をする事ができます。
さらに、この暖炉の火は宿泊者が自分の手で直接つける事ができます。グランピング体験にバイオエタノール暖炉を利用している珍しい事例です。
まとめ
ここまで、バイオエタノール暖炉のメリット・デメリットや、おすすめ商品、導入施設例などをご紹介しました。
バイオエタノール暖炉は地球環境にも優しく、インテリアとしても優秀な暖房器具です。そのため、これからさらに人気が出てくるでしょう。
興味を持った方は、まずは小さいサイズのものから試して、ぜひ炎の安らぎを感じてみてください。
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