仕事や家庭、人間関係など現代に生きる人々は日々さまざまなストレスを受けています。
そんなストレスを解消し、健康的な心と体を保つためには“癒し”の方法を知っておくことが重要です。
そこでこの記事では、現代人が取り入れたい“癒し”について解説します。どうすれば癒されるのか、具体的な方法も紹介しています。
ぜひストレスに悩まされている方や疲れがたまっている方は、癒しを生活に取り入れてみてください。
1. 癒しとは?
そもそも“癒し”とは一体何なのでしょうか。
実は癒しには、明確な定義があるわけではありません。ただ人が癒されたいと感じるときは、さまざまな原因でストレスを抱えていることが多いです。
人はストレスを抱えると、心や体、行動に反応が現れて多くが不調や不具合をきたします。そのため日頃からストレスを減らしたり、ストレスを受けないように予防したりすることが大切です。
このストレスを軽減するための手段や行動を私たちは“癒し”だと考えています。
癒しを取り入れることで心身が休まったり、リフレッシュできたりするのです。
1-1. ヒーリングの意味は「癒し」
癒しと似た言葉に、ヒーリングというものがあります。
ヒーリングの意味は簡単にいうと癒しです。
もう少し具体的にいうと、ヒーリングとは癒しそのものであったり、何らかの手段で心や体を癒したりすることを指します。
世の中にはアロマヒーリングや音楽ヒーリングなど、〇〇ヒーリングと呼ばれるさまざまなものがあります。それらはどれも癒しのために行われるものです。
1-2. どうやったら癒されるの?
では、人が癒されるにはどうすればよいのでしょうか。
厳密には何に癒されるのかは人によって違いますが、多くの人に共通することとして、癒されるには五感を活用することが大事です。
では五感がなぜ癒しにつながるのか、理由を説明します。
五感とは、
- 視覚
- 聴覚
- 嗅覚
- 味覚
- 触覚
です。
五感と人間の体は深く関わっています。体が疲れると五感が鈍ったり、逆に五感が鈍感になっているときは体も疲れていたりするのです。
ですから五感を活用することで、体の疲れが癒されます。
しかし現代の生活では知らず知らずのうちに五感が鈍っていることが多くなっています。
現代ではインターネットやテレビなどを通して、多くの刺激が日々飛び交っているからです。
五感が敏感だとたくさんの刺激をキャッチしすぎてしまいます。そこで人は五感を鈍感にして体を守っているのです。
だからこそ時々は体に心地よい刺激を吸収して、五感を呼び覚ますことが必要です。
五感を使った癒しの例を紹介します。
視覚:炎を見る、動物を見る、緑色
人間は特に目からたくさんの情報を取り入れています。そのため視覚を使うことで、とても癒される場合が多いのです。
たとえば炎です。炎には「1/fゆらぎ」という癒しにつながるものが含まれています。
1/fゆらぎを簡単にいうと、パターン的なリズムの中に時々入る、不規則な動きです。
犬や猫、動物の赤ちゃんなど動物の動画もとても人気です。どれもかわいらしくほのぼのとしており、人に癒しをもたらします。
癒される色では緑が代表的です。緑といえば木々や新緑のイメージが強いと思います。イメージ通り、人間にリラックス効果や安らぎを与えてくれる色が緑です。
聴覚:クラシック、ヒーリング音楽
聴覚を使った方法も、音楽療法という言葉があるくらい癒し効果があります。特にクラシック音楽や癒しに特化したヒーリング音楽は効果が高いです。
クラシック音楽やヒーリング音楽には、先ほどの炎と同じように人々が癒される1/fゆらぎが入っています。
クラシック音楽の中でも、曲調やテンポの変化が大きすぎない曲がよいでしょう。
そのほか波の音や鳥のさえずりなど、人が癒されると感じる音はたくさんあります。
嗅覚:アロマ
嗅覚は脳にダイレクトに繋がる本能的な感覚であるといわれています。
嗅覚の癒しといえばアロマです。 現在ではアロマオイルやアロマキャンドルなど、アロマを取り入れたさまざまな物が出ています。
アロマにはフローラル系や柑橘系、樹木の香りなどさまざまな香りがあります。
自分の好みや気分によって好きな香りを選べるので、癒しにつながりやすいです。
味覚:ココア、CBD
好きなものを食べると気分転換になる、甘いものを食べると疲れが取れるなど、味覚と癒しも密接に関わっています。
食べ物に含まれている成分がリラックス効果につながることも多いです。
癒し効果がある食べ物の例として、ココアがあります。ココアに含まれるカルシウムやカリウムが気持ちを落ち着かせ、リラックスできるためです。
また手軽にリラックス効果を得られる物として、CBDもあります。
CBDとはCannabidiol(カンナビジオール)の略称で、大麻草から抽出される成分のことです。
CBDを服用することでストレス解消やリラックス効果につながります。
大麻と聞くと驚いてしまう方もいるかもしれませんが、CBDはもちろん合法です。違法の大麻と違って中毒性もありません。
CBDは、カプセルやガムなどさまざまな食べ物からとることができます。
触覚:握る、触る、など
触覚とは触る、握るなど、何かに触れることによって肌で感じる感覚です。
人間は何かに触れるときに癒しを感じやすいです。特に人肌のような心地よいものに触れたときに効果が高まるといわれています。
たとえば、ふわふわのぬいぐるみを抱きしめたり、温かいお風呂に入ったりするなどです。
最近では疲労を感じやすい頭の疲れをとるヘッドスパもあります。これも触覚によって癒し効果を得られる例です。
第六感:マインドフルネス、瞑想
ここまで五感の癒しを紹介しましたが、実は五感以外の感覚もあります。それが第六感です。
第六感を取り入れた癒しとしては、マインドフルネスや瞑想があります。
マインドフルネスとは、あなたの心を「今この時」に向けることです。
人はつい過去の後悔や将来の不安など、現在以外に心を移しがちです。ただ考えすぎると、それがストレスになってしまう場合があります。
それを意識的に今に向けることが、マインドフルネスや瞑想です。
2. おすすめの癒し方法6選
ここからは、五感を活用したおすすめの癒し方法を厳選して6個紹介します。簡単にできるものもあるので、ぜひ癒しに役立ててみてください。
①日光浴
まず手軽に取り入れられる癒し方法が、日光浴です。
人間は日光を浴びると、セロトニンというホルモンが分泌されます。
このセロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、不安を和らげストレスを解消させる効果があります。そのため日光浴はリフレッシュにおすすめです。
できれば外に出て散歩をするのがよいですが、窓越しに日光を浴びるだけでも効果があります。
②森林浴
森林浴では建物や電子機器に囲まれた日常から離れ、自然に身を置くことでリフレッシュできます。
また森林浴で得られる「フィトンチッド」という物質が、癒しに効果的ともいわれています。
フィトンチッドとは、樹木が虫や微生物に傷つけられることを防ぐために発する物質です。
森の中に入ると木々の独特の香りがしますが、この香りはフィトンチッドによるものです。
虫や微生物には害ですが、人体には悪影響はありません。むしろフィトンチッドを嗅ぐことで心が落ち着いたり、リフレッシュ効果が得られたりします。
③涙活
涙活とは、泣ける映画や本などを見て意識的に泣くことです。涙を流すことは、強いリラックス効果につながります。
原理として、人は涙を流すと副交感神経が活性化します。副交感神経は、眠っているときやリラックスしているときに活性化するものです。
そのため涙を流すだけで、リラックス効果が得られストレス解消につながります。
大人になるにつれて泣く機会は減っていきますが、ときどきは涙活をすると心も体もスッキリするでしょう。
④入浴剤・バスソルト
入浴剤やバスソルトは、もともとお風呂に入るだけで得られる癒し効果をさらに高めます。
入浴剤には、ボタニカルやフローラル系など香りが入っているものも多いです。
そのためお湯の温かさやなめらかさといった触覚に加えて、嗅覚からの癒しも得られます。
バスソルトには発汗作用を高める効果があります。汗をかいてスッキリすることで、心と体のデトックスにつながりやすいです。
さらに入浴を就寝の1〜2時間前に行うと安眠効果が高まり、スムーズな入眠や熟睡がしやすくなります。
入浴剤やバスソルトを入れると、体の温かさやよい香りが続いたりするので、入浴後の癒し効果も高まります。
⑤アロマキャンドル
アロマキャンドルを焚くことで、炎の灯りとアロマの香りが部屋一面に広がり、ストレスが減ってリラックスできるでしょう。
キャンドルの炎のゆらぎには、人が本能的に癒されるパターンである「1/fゆらぎ」が含まれているからです。
つまりキャンドルがゆらめくのを見ているだけで、リラックス効果につながります。
さらにアロマキャンドルでは、炎のゆらぎとともにさまざまな香りも楽しめます。視覚だけでなく嗅覚も活用した癒し方法です。
⑥動物と触れ合う
動物との触れ合いでも、人は心が落ち着き、癒しを得られます。アニマルセラピーやアニマルヒーリングといった言葉があるくらいです。
触れ合いの例で代表的なものが、犬や猫などのペットです。ペットは人間の生活に癒しを与えてくれます。
また動物と日常的に触れ合えない病院や老人ホームなどでも、アニマルセラピーを行うことが増えています。
それくらい動物と触れ合い、温かさや愛らしさを感じることが癒しにつながるのです。
3. ストレスの原因から距離を取る方法
日々健康的に生活していくために、癒しの方法を知っておくことはとても大事です。
ただ癒しが必要な状況を作り出す原因である、ストレスに働きかけることも同じく必要となります。
残念ながら、ストレスを完全になくすことはほぼ不可能です。しかしストレスの原因から意図的に離れることはできます。ストレスと距離を取る方法を紹介しましょう。
①リトリート
リトリートとは、しばらく日常から離れて心と体をリフレッシュさせる過ごし方のことです。
私たちは日常的にさまざまなストレスを受けています。そのストレスから離れることで、少し心が軽くなるのです。
リトリートで行く場所は森林や海、温泉などがあります。あくまでも観光とは違い、心と体を癒すことが目的です。
ただしばらく日常から離れるといっても、長期的な休暇は難しい方が多いのではないでしょうか。
しかし必ずしもリトリートに長い期間が必要というわけではありません。まずは週末に行うなど、短い期間のリトリートでも十分リフレッシュにつながります。
②デジタルデトックス
スマホやパソコンなどのデジタル機器は便利ですが、同時にストレスの原因になることもたくさんあります。そのデジタルから一定の期間離れるのが、デジタルデトックスです。
私たちはインターネット社会の現代、スマホ・パソコンなどから多くの情報を吸収しています。
さらにチャットやSNSなどで、1日中誰かと繋がっている方も多いでしょう。これらが知らず知らずのうちにストレスに繋がってしまうのです。
ですからたまにはスマホの電源を切るなどして、デジタルデトックスを行うことが大事です。
デジタルから意識を離すことで、五感を刺激するきっかけにもつながります。
③マインドフルネス(瞑想)
余計な雑念をはらい、今この時に意識を向けるのがマインドフルネス(瞑想)です。
ストレスや不安が減ったり、集中力や五感の高まりにつながったりする効果があります。
マインドフルネス(瞑想)の簡単なやり方を紹介しましょう。
まず椅子や床に座ります。
続いて体の力を抜き、リラックスした状態で呼吸に意識を向けましょう。目をつぶって行うとやりやすいと思います。
最初はつい余計なことを考えてしまうことが多いですが、気にせずまた意識を戻せば大丈夫です。続けるうちにだんだんできるようになります。
毎日マインドフルネス(瞑想)を5分でも取り入れることで、癒し効果が得られます。
癒しを取り入れて毎日を健康に!
ここまで、癒しの方法やストレスから離れる手段を紹介しました。
癒しを生活に取り入れることで心と体が元気になり、毎日健康的に過ごせます。
1日のうち、ほんの少しでも構いません。ぜひ癒しタイムを作って、頑張っている自分をいたわってあげてくださいね。