マインドフルネスとは「今この瞬間」に意識を向け、自分の感情や思考を一歩離れて観察することをいいます。
マインドフルネスの状態を作る方法のひとつである「マインドフルネス瞑想」は、ストレスの低減やうつ病予防に効果が認められている心理療法です。
仏教を起源とするマインドフルネス瞑想。
心理療法としては40年の歴史を持ち、今では「瞑想といえばマインドフルネス瞑想」というほどメジャーなものになりました。
マインドフルネス瞑想がメジャーとなった背景のひとつに、科学的根拠の存在があります。
マインドフルネス瞑想を行うことで、脳に変化をおこすことが確認されています。
例えば、恐怖や不安に関与する「扁桃体」という部分が小さくなることです。
これにより、ストレスに過剰に反応しなくなるので、ストレスの低減につながります。
その他にも、記憶力に関与し、萎縮するとうつ病の原因になるといわれている「海馬」の灰白質が増加すること、注意力や感情に関与する「前帯状皮質」が活性化することなどの変化が確認されています。
また、Google社が社員研修にマインドフルネス瞑想を取り入れたことが話題になりました。
マインドフルネス瞑想が広く知れ渡り、多くの企業や個人が取り入れ始めるきっかけとなったといわれています。
ある市場調査によると、2028年にはマインドフルネス瞑想アプリの市場規模が26億米ドル以上に拡大する、と予測されています。これはなんと2022年の約5倍の規模です。
マインドフルネス瞑想は今、世界中で注目度が上がり続けています。
言い換えれば、現代社会に溢れる情報やストレスから自分自身を守り、組織を守るために、瞑想がもたらす効果が必要とされているということ。
決して、意識の高い一部の人がやっていることではないのです。
あなたのストレスや仕事の悩みも、マインドフルネス瞑想を取り入れることで解決できるかもしれません。
マインドフルネス瞑想の実践方法
マインドフルネス瞑想の中にも、いくつもの方法があります。
- 呼吸に意識を向ける「呼吸瞑想」
- 自分の身体に意識を向ける「ボディスキャン瞑想」
- ゆっくりと食べ物を味わう「食べる瞑想」
- 歩くことに意識を向ける「歩行瞑想」
今回はマインドフルネス瞑想の基本、呼吸瞑想のやり方をご紹介します。
環境
快適と感じる温度で、静かな場所が最適です。
瞑想のためのスペースを決めると、気持ちが切り替えやすいでしょう。
体勢
椅子や床に座ります。
背筋を伸ばし、余計な力を抜きましょう。
方法
自分の呼吸に意識を向けながら、ゆっくり呼吸を繰り返します。
- 身体に空気が入っていく感覚、胸が膨らむ感覚、鼻から空気が出ていく感覚など、呼吸に意識を向け続けます。
- 途中、頭に様々な考えが浮かんできます。そんなときは「今、○○のことを考えたな」と受け入れたうえで、呼吸に意識を戻します。
この繰り返しです。
瞑想をサポートしてくれる、YouTubeやアプリなどもあります。はじめのうちは、頼ってみるといいでしょう。
1度の瞑想で感じられる効果もありますが、継続することで感じられるようになる効果もあります。
自分に合った時間の瞑想を継続することが大切です。
こんな人にはマインドフルネス瞑想がおすすめ
マインドフルネス瞑想には集中力の向上・生産性の向上・ストレスの低減・不安の緩和など、様々な効果があります。
以下の項目にひとつでも当てはまる人は、生活に瞑想を取り入れてみましょう!
- 仕事に集中できない
- 心配性でいつも不安をかかえている
- 失敗からなかなか立ち上がれない
- 人間関係に悩んでいる
私たちのストレスの原因を考えると、ほとんどが過去・将来・周りの人間や環境をネガティブにとらえることから生まれているものではないでしょうか?
マインドフルネス瞑想を繰り返し、今だけに意識を向け続けると、「ネガティブな思考えは事実ではなく、一時的な心の反応である」と捉えられるようになります。
冒頭で述べた扁桃体の縮小とあいまって、ストレスの原因に過度に反応したり圧倒されなくなるんです。
また、ひとつのことに集中する経験を何度も繰り返すことで、集中力の向上・生産性の向上にも繋がるといわれています。
趣味に没頭もマインドフルネスのひとつ
誰しも経験したことがある「何かに没頭し、あっという間に時間がたっていた」という状態もマインドフルネスな状態のひとつ。
何かに没頭しているときはただ夢中になって、終わった後は気持ちがよかったですよね?
実はこれ、ホルモンが影響しているんです。
マインドフルネスな状態では、ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が減り、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」が分泌されることがわかっています。
「趣味に没頭するのがストレス発散」というのが、理にかなっていることがわかりますね。
没頭できる趣味のない方は、マインドフルネス瞑想をして、ストレスホルモンを減らして幸せホルモンを分泌しましょう!
マインドフルネス瞑想のことをもっと知りたい!そう思ったら資格にチャレンジ
マインドフルネス瞑想のことをもっと知りたい!という方におすすめな資格は、
- 瞑想インストラクター
- マインドフルネスセラピスト
の2つです。
人に教えるための資格と思われますが、どちらも受験資格がなく、受験料も10,000円(税込)と比較的お手軽なので、知識を深めるためとして挑戦するのも良いでしょう。
2ヶ月ほどのオンライン資格講座を受けると受験に必要な知識を身につけることができ、正答率70%以上で合格となります。
また、試験は2ヶ月に1度あり、自宅で受験ができます。
それぞれの資格についてみていきましょう。
瞑想インストラクター
日本インストラクター技術協会が発行する「瞑想インストラクター」という、マインドフルネス瞑想の資格です。
マインドフルネス瞑想の知識だけでなく、その他の瞑想の違いや感情のコントロール法などの知識が深まります。
瞑想インストラクターについての詳細はこちら
マインドフルネスセラピスト
日本メディカル心理セラピー協会が発行する「マインドフルネスセラピスト」という、マインドフルネス瞑想の資格です。
マインドフルネス瞑想といっても、ボディスキャンマインドフルネス瞑想や数を数えるマインドフルネス瞑想などがあり、幅広い知識が必要とされます。
マインドフルネスセラピストについての詳細はこちら