アロマテラピーでは、自然療法の観点から、植物の香り成分を高濃度に含んだ「精油」をセルフケアに役立てます。心癒されたいときやリフレッシュしたいときに、気軽にアロマを楽しめる方法があると嬉しいですよね。この記事では、精油を簡単に活用できる方法の1つとして、アロマスプレーの作り方を詳しく解説します。
虫除けタイプや除菌タイプなど、くらしに役立つアロマスプレーのレシピもご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
アロマスプレー作りに必要なもの
- 精油
- 精製水
- エタノール
- スプレーボトル(容器)
- ビーカーやガラス棒
好みの香りや用途に合わせた精油(エッセンシャルオイル)と水を用意します。なお、ビーカーやガラス棒は、ほかの軽量容器や竹串などで代用できます。ただし、飲食用容器との兼用は避け、アロマテラピー専用の容器を準備しましょう。
>>精油は【フレーバーライフ】がおすすめ※ページの最後に商品リンクをまとめて掲載しているので、このまま読み進めても最後にご覧いただけます。
アロマスプレーの容器は何がおすすめ?
最近では100円ショップや雑貨屋などでさまざまな種類のスプレーボトルが手に入りますが、アロマスプレー容器を準備する際には、いくつか注意したいポイントがあります。
精油の中に含まれる天然成分は、空気や熱、光などの影響で劣化を起こしやすい繊細さが特徴です。成分の劣化はアロマスプレーの香りを損ねたり、肌に使用する場合は皮膚に刺激や炎症を起こしたりする可能性があるため、繊細な精油を守れる容器が必要になります。
精油は直射日光を避けた保管が欠かせませんが、室内でも照明などの光を避けるために、精油瓶には光を遮る遮光瓶が使われています。アロマスプレーを手作りする際にも、精油瓶と同様に遮光瓶でできた容器を使うのが最適です。
精油やアルコール類は、プラスチックなどと反応し、容器の変色や破損を引き起こすこともあります。もし、プラスチック製の遮光ボトルを使用する場合は、必ず精油やアルコールを入れてもOKな仕様を選びましょう。
アロマやハーブの専門店などでは、茶色や青色、緑色などの遮光容器が販売されています。ネットショップでも購入可能なので、チェックしてみてください。
アロマスプレーの作り方の手順
材料の準備が整ったら、アロマスプレーを作ってみましょう。アロマスプレーの容量別にレシピと手順を紹介しているため、手作りする際に役立ててみてください。
まず、ビーカーに無水エタノールを入れます。この後詳しく解説しておりますが、無水エタノールは精油と水を馴染みやすくするために使用します。
無水エタノールの量は、精油の香りを活かすためにも
【無水エタノール:精製水=1(または2):9(または8)】
の割合となるよう無水エタノールを加えるのがおすすめです。
例えば完成量100mlのアロマスプレーを作る際の無水エタノールは10mlです。
次に、ビーカーに精油を加えます。精油の量はお好みによって変わりますが、目安として完成時の容量に対して約1%〜2%になるように用意します。
例えば完成量100mlのアロマスプレーを作る際の精油は1ml〜2mlで、約20滴〜40滴使用します。
精油と無水エタノールをよく混ぜます。
ビーカーに水を加えます。水は精製水を使用することで精油本来の香りを楽しむことができますが、ミネラルウォーターや水道水でも代用できます。詳しくはこの後解説する「水道水でアロマスプレーは作れるの?」を参考にしてください。
スプレー容器に移します。スプレーの容器にブレンドした精油や制作日を記載したラベルを貼っておくと、使用時に便利です。
このように手軽にアロマスプレーを作ることができます。
保管時は直射日光が当たらないところで保管し、材料に水を使うアロマスプレーは、使用期限が短いのが特徴です。1~2週間を目安に早めに使い切りましょう。
【容量別】100mlのアロマスプレーの作り方
100mlは、牛乳ビンや野菜ジュースなどの小パック1本分の約半分の量なので、少ないと感じるかもしれません。飲料の感覚からするとすぐに使い切ってしまうイメージになりますが、精油で作るアロマスプレーは1プッシュでも効果を感じることができます。
ちなみに一般的なスプレーの1プッシュは0.3mlと言われていますので、100mlのアロマスプレーを作れば約330プッシュ可能です。
ですので、100mlは少ないどころか使い切らず余ってしまう可能性も。いざ作ってみたら思っていた香りと違った場合、多く余らせてしまうこともあるので、100mlでアロマスプレーを作る前に少量で作ってみることをおすすめします。
- 好みや用途に合った精油…20~40滴(0.05ml/滴)
※ルームスプレーやお掃除スプレーなど、肌に触れない用途の場合の精油量です。 - 水または精製水…90ml
- 無水エタノール…10ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
精油は天然成分を高濃度に含むため、原液を直接肌につけることはできません。肌に触れる可能性がある場合は、使う精油の量に注意が必要です。
アロマスプレー100mlの精油量目安(肌に使う場合)
- ボディ使用時…20滴以下
- フェイス使用時…2~10滴以下
無水エタノールと精油をよく混ぜ合わせることで、精油と水が混ざりやすくなるため、しっかり攪拌しましょう。
しっかり混ぜたらスプレー容器に移して完成です。
【容量別】30mlのアロマスプレーの作り方
必要な精油が6〜12滴と聞くと少ないと感じるかもしれませんが、精油は香り成分が凝縮されているので少量でも十分香りを感じることができます。オリジナルアロマスプレーを作る際は30mlぐらいの少量から試してみると良いでしょう。
- 好みや用途に合った精油…6~12滴(0.05ml/滴)
※ルームスプレーやお掃除スプレーなど、肌に触れない用途の場合の精油量です。 - 水または精製水…25ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
精油は天然成分を高濃度に含むため、原液を直接肌につけることはできません。肌に触れる可能性がある場合は、使う精油の量に注意が必要です。
アロマスプレー30mlの精油量目安(肌に使う場合)
- ボディ使用時…6滴以下
- フェイス使用時…1~3滴以下
無水エタノールと精油をよく混ぜ合わせることで、精油と水が混ざりやすくなるため、しっかり攪拌しましょう。
しっかり混ぜたらスプレー容器に移して完成です。
【容量別】20mlのアロマスプレーの作り方
20mlボトルを使ってアロマスプレーを作ればコンパクトに持ち運びができるので、常に持ち歩いて出先でもお気に入りの香りを感じることができるのでおすすめ。オフィスでの休憩時間や営業回りでのふとした休憩時間などにも重宝します。
- 好みや用途に合った精油…4~8滴(0.05ml/滴)
- ※ルームスプレーやお掃除スプレーなど、肌に触れない用途の場合の精油量です。
- 水または精製水…15ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
精油は天然成分を高濃度に含むため、原液を直接肌につけることはできません。肌に触れる可能性がある場合は、使う精油の量に注意が必要です。
アロマスプレー20mlの精油量目安(肌に使う場合)
- ボディ使用時…4滴以下
- フェイス使用時…1~2滴以下
無水エタノールと精油をよく混ぜ合わせることで、精油と水が混ざりやすくなるため、しっかり攪拌しましょう。
しっかり混ぜたらスプレー容器に移して完成です。
コンパクトなタイプはマスクスプレーにおすすめです。
マスクの外側にシュッと吹きかけて使いましょう!
エタノールなしでアロマスプレーは作れるの?
精油は植物から抽出される親油性の香り成分であり、通常は水に溶けません。しかし、無水エタノールなどの濃度が高いアルコールは、精油を水に溶かすことで知られ、アロマテラピーでは欠かせないアイテムです。
水と精油だけでもアロマスプレー自体は作れますが、精油成分や香りがより均一に行き渡ったスプレーに仕上げたい場合は、無水エタノールを使うのがおすすめです。
なお、精油を水に溶かすには、一般的に40%以上のアルコール濃度が必要と言われています。そのため、無水エタノールがない場合は、40%を超えるアルコール濃度で、精油の香りを邪魔しないウォッカなどのお酒で代用が可能です。
薬局では、無水エタノールのほかにも、消毒用エタノールなどが手に入ります。消毒用エタノールは、無水エタノールを薄めて、アルコール濃度が80%前後になるように作られたものです。
無水エタノールはアルコール濃度が99.5%を超え、精油を水に溶かす効果がより期待できるため、手作りアロマグッズに幅広く使われています。
水道水でアロマスプレーは作れるの?
アロマスプレーは、水道水でも作成可能です。例えば、スキンケア効果を期待してスキンローションなどを作る場合は、塩素などを含まない精製水やミネラルウォーターを使います。
しかし、スキンケア効果が目的ではないアロマスプレーの場合は、精製水やミネラルウォーター以外に、水道水を使って作成しても問題ありません。
ただし、精製水はより純度が高い水であるため、精油の香りなどを最大限に活かせるメリットがあります。ルームスプレーやリフレッシュスプレーなどで精油本来の香りを楽しみたい場合は、精製水の使用がおすすめです。
アロマスプレーを作るときの注意点
上記の手順で、気軽に作れるアロマスプレーですが、気をつけたいポイントもあります。
以下をチェックして、安全かつ正しい方法でアロマスプレー作りを楽しんでください。
天然成分100%の精油を使う
アロマグッズは100円ショップや雑貨屋などでも気軽に手に入るようになりました。しかし、アロマテラピーの効果を期待してアイテムを手作りする場合は、天然成分100%の精油(エッセンシャルオイル)を使用する必要があります。
アロマオイルと表記されたものの中には、精油を別の素材で薄めて販売されているものもあるため注意しましょう。
精油の表示を確認したり、信頼できるお店で購入したり、といった工夫ができるといいですね。
>>原材料、植物だけ【フレーバーライフ】希釈濃度を守る
精油は植物成分が凝縮されており、原液は刺激が強いため、肌に直接使用することができません。必ず水やキャリアオイルなど、ほかの素材で希釈してから使います。
なお、AEAJ日本アロマ環境協会では、ボディ使用時は1%以下、フェイス使用時は0.1~0.5%以下の濃度を目安に、精油を希釈して使用するように定めています。(0.05ml/滴)
正しい希釈濃度を守り、安全にアロマスプレーを作成してください。いくつかの精油をフレンドする際も、精油の合計量が濃度の目安を超えないように注意しましょう。
また、香りの好みや肌タイプにも個人差があるため、レシピの範囲内で、自分にとって「心地よい」精油量を調節することが大切です。
さらに、精油は水と混ざりにくいため、アロマスプレー中の希釈濃度がなるべく均一になるよう、作成時にはしっかり混ぜましょう。毎回の使用前にも、よく振ってから使うのがポイントです。
火気のそばでの作業を避ける
アロマスプレー作りなどに使う無水エタノールやアルコール類は、引火しやすい性質があります。台所などの火のそばで作業を行うと、火事ややけどにつながる可能性があるため危険です。
周囲の環境に十分気をつけながら、安全な場所でアロマスプレー作りを行ってください。
作成日などを記録しておく
材料に水を使うアロマスプレーは、使用期限が短いのが特徴です。1~2週間を目安に早めに使い切りましょう。
使用期限を守り、安全に使うためにも、作成日や使用期限日をスプレーボトルにラベリングしておくのがおすすめです。
作成後の扱いにも気をつけよう
柑橘系の精油の中には、紫外線に反応して肌への刺激や炎症を引き起こす、光毒性を持つものがあります。肌に使う場合は、「精油辞典」の記事も参考にしながら、アロマスプレーに使う精油を慎重に選びましょう。
精油は空気や熱、光などで劣化しやすいとても繊細な特徴を持ちます。アロマスプレーは、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。小さい子どもの手が届かない場所に保管することも重要です。
「【初心者向け】アロマの始め方|揃えるもの・おすすめのアロマ・扱い方の注意点」では、精油を選ぶときや扱う際の注意点も紹介しています。ぜひ、こちらも参考にしてください。
手作りアロマスプレーのおすすめレシピ
ここまで、アロマスプレー作りに必要なものや作り方の手順、手作りする際の注意点についてご紹介しました。
精油は、それぞれに含まれる成分の種類や量が異なり、種類ごとにさまざまな用途に役立てることができます。以下のレシピを参考に、アロマスプレーをくらしに役立ててみてください。
虫除けスプレーのレシピ
精油の中には、虫が嫌がる成分を含むものがあります。以下のレシピで、天然成分の虫除けスプレーを作ってみてはいかがでしょうか。
蚊除けにおすすめ
- ゼラニウム精油…4滴
- ペパーミント精油…2滴
- 水または精製水…25ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
※体への使用を想定した希釈濃度1%のレシピです。顔への使用は避けてください。
ダニ除けにおすすめ
- レモングラス精油…10滴
- 水または精製水…25ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
※希釈濃度が1%を超えるため、肌には使用しないでください。
除菌スプレーのレシピ
除菌効果に優れた精油でアロマスプレーを作れば、ニオイ対策などに役立てることができます。以下のレシピを参考にしてみてください。
- ラベンダー精油…20滴
- ユーカリ・ラディアータ精油…10滴
- 水または精製水…90ml
- 無水エタノール…10ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
※精油濃度が1%を超えるレシピなので、肌への使用は避けてください。
リフレッシュできるスプレーのレシピ
アロマの香りには、心を落ち着けるリラックス効果だけではなく、気分転換や集中力アップを促してくれるものもあります。リフレッシュ効果が高い精油で作ったアロマスプレーは、一拭きで気分を軽やかにしてくれるでしょう。
コンパクトサイズを持ち歩き、マスクスプレーとして使うのもおすすめです。
フローラル&ハーブ系
- ゼラニウム精油…1滴
- ローズマリー精油…1滴
- 水または精製水…15ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
※マスクスプレーとして使用する場合は、マスクの外側に吹きかけて使いましょう。濃度1%のレシピなので、手首などにシュッと吹きかけて使うのもおすすめです。ローズマリー精油は、肌を刺激する可能性があるため、必ずパッチテストを行い慎重に使いましょう。
シトラス&ハーブ系
- レモン精油…1滴
- ペパーミント精油…1滴
- 水または精製水…15ml
- 無水エタノール…5ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器
※レモンには光毒性があるため、日中、肌に直接吹きかけての使用は避けましょう。マスクの外側へ使用する以外に、ハンカチ(色移りしても構わないもの)やティッシュに一拭きして香りを楽しむ方法があります。
まとめ
今回は、アロマスプレーの作り方について詳しくご紹介しました。ご紹介したレシピのほかにも、スイートオレンジ精油やマンダリン精油のアロマスプレーは、油汚れの掃除に活用できておすすめです。ぜひ色々な精油で作ってみてください。
アロマスプレーは少ない材料と工程でできるアロマグッズなので、初めてでもトライしやすいのではないでしょうか。安全に配慮しながら、気分や用途に合わせて、オリジナルのアロマスプレーを楽しんでください。
>>精油は【フレーバーライフ】がおすすめ