ミルラ精油はどんな香り?効果効能とおすすめの使い方・禁忌や注意点も解説

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ミルラは、神に捧げる薫香や傷薬などとして、世界各地で用いられた古い歴史を持つ植物です。和名では没薬(モツヤク)と呼ばれるミルラの精油は、樹脂から得られ、濃厚な香りを持ちます。他のアロマに比べると、知名度は低いかもしれませんが、ミルラも幅広いシーンで役立つアロマです。

この記事では、ミルラ精油の効果効能や、おすすめの使い方についてご紹介します。

香りが強く、固まりやすい性質を持つなど、特有の個性も目立つミルラ精油。魅力やおすすめの取り入れ方を知って、ぜひ暮らしに役立ててみてください。

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目次

ミルラ精油の基本情報

名前ミルラ、マー、モツヤク(没薬)
学名Commiphora myrrha(コンミフォラ ミルラ)
科名カンラン科
産地エチオピア、ソマリア、インドなど
抽出部位樹脂
抽出方法水蒸気蒸留法
ノートベースノート
香り濃厚でスモーキー、温かみある香り
成分フラノオウデスマ-1,3-ディエン、グルゼレンなど

ミルラ精油どんな香り?

香りの系統:バルサム系

ミルラ精油は、ミルラの木と呼ばれる植物の樹脂から得られます。濃厚な香りが特徴で、スモーキーでややスパイシーな印象を持つ、温かみあるアロマです。

ほのかな甘さも伺えるミルラ精油の香りは、不安や悲しみを和らげて心を落ち着かせてくれます。リラックスタイムはもちろんのこと、ヨガや瞑想にも用いられる香りです。

香りが濃厚なため、1滴から少しずつ試し、心地よいと感じる程度で楽しんでください。

ミルラにも複数の種類があり、植物が育つ環境によっても香りにばらつきが見られます。エチオピア産やソマリア産などのミルラ精油が多く見られますが、店頭で学名などをチェックし、香りを試してから購入するのがおすすめです。

ミルラ精油の特徴

原料植物のミルラは、「マー」「没薬」とも呼ばれる、アラビア半島原産のカンラン科の常緑樹です。

ミルラは、約4,000年前から、人々に親しまれてきた歴史を持ちます。古代エジプトでは、同じカンラン科の植物「フランキンセンス」と共に、太陽神ラーへの薫香として用いられました。

防腐作用に優れ、ミイラ作りの際にも防腐剤として使われたそうです。また、中国では唐の時代から、傷口に使う薬として重宝されてきました。

さらに、旧約聖書ではキリストへの捧げものとされ、ギリシャ神話では王女ミュラの涙として登場します。このことからも、ミルラは、古くから世界各地で広く使われていたことが分かります。

ミルラ精油は、ミルラの木の樹脂を蒸留して作られるアロマです。樹脂は、3m前後に成長する低木に傷を入れて採取します。ミルラ精油は他の精油と比べて粘度があり、ゆっくり揮発するため、香りが長持ちするのが特徴です。ただし、ミルラ精油は固まりやすい性質を持つため、少量ずつ購入したり、早めに使い切ったり工夫すると良いでしょう。

ミルラ精油の効果効能

ミルラは、お香や薬、防腐剤などとして古くから活躍してきた植物ですが、精油にはどのような働きがあるのでしょうか。ここでは、ミルラ精油の効果や効能についてご紹介します。

リラックス効果

落ち着きあるミルラの香りは、神経系の過活動を穏やかにしてくれる鎮静作用に優れ、心のバランスを整えてくれます。つい考えすぎてしまったり、不安におそわれたりした時には、ミルラ精油の香りで冷静な自分を取り戻しましょう。

睡眠の悩みにも効果的で、バスタイムや就寝前のリラックスタイムに取り入れるのもおすすめです。目の前のことに集中できる、心の安定をもたらしてくれるため、瞑想時の芳香にも適しています。

抗炎症作用

ミルラ精油は、殺菌作用や炎症を抑える効果でも知られています。口内炎や歯肉炎などの口腔内の炎症に有効とされ、歯磨き粉やうがい薬などにも使用されてきたほどです。

他にも、気管支炎や喉の炎症などの不調に働きかける作用も期待できます。風邪やアレルギーによる呼吸器の不快感を和らげてくれるでしょう。花粉症や感染症の季節には、ミルラ精油をお部屋の芳香として取り入れるのもおすすめです。

さらに、胃腸の働きを助けてくれる作用もあり、消化器系の不調による口内炎などの予防も期待できます。

健やかな肌に導く効果

ミルラは、防腐剤としての役割を担ってきた歴史を持つ、優れた殺菌作用が特徴の精油です。加えて、炎症を抑える作用も併せ持つため、肌を清潔で健やかな状態に導いてくれます。

例えば、乾燥によるひび割れなどの傷の回復を助けたり、日焼け後の炎症をケアしたりするために有効です。

また、虫刺されによる痒みや水虫の湿疹にも有用と言われています。

老化につながる活性酸素を除去する働きが期待できることから、シワやたるみが気になる肌にもおすすめです。

「おすすめの使い方」でご紹介する希釈濃度に気をつけながら、スキンケアローションやマッサージオイルなどで取り入れてみてください。

おすすめブレンド

精油はいくつかの種類を組み合わせることで、香りに深みが出たり、相乗効果が期待できたりするメリットがあります。心に落ち着きをもたらす、バルサム調の香りが特徴のミルラ精油は、特にフローラル系の香りと好相性で、程よい調和を楽しめます。

その他にも、シダーウッドやサイプレスなどの樹木系アロマや柑橘系アロマと組み合わせるのもおすすめです。

また、精油は揮発する速度が速い順に「トップノート」、「ミドルノート」、「ベースノート」という3タイプに分類可能です。ミルラ精油はベースノートに分類され、他の精油の香りを長持ちさせる「保留剤」としても役立ちます。トップノートタイプやミドルノートタイプの精油とバランスよく組み合わせるのがおすすめです。なお、香りが濃厚なため、使用量に注意しましょう。

ここでは、ミルラ精油とのブレンドにおすすめの精油を目的別にご紹介します。

以下を参考に、自分好みのブレンドアロマを作ってみましょう。

リラックス&スキンケア効果

・ラベンダー

・ゼラニウム

・フランキンセンス

・サンダルウッド

消化器系の不調緩和に

・ベルガモット

・スイートオレンジ

・プチグレン

呼吸器系の不調緩和に

・サイプレス

・ジュニパーベリー

・パイン

このような方におすすめ

ミルラ精油の特徴や効果などをお伝えしてきましたが、ここでは具体的にどんな方におすすめなのかをご紹介しています。

以下を参考に、さらに効果的にアロマを使いこなしてみてください。

  • 不安や緊張、イライラを鎮めたい方
  • 落ち着いて自分自身と向き合いたい方
  • 睡眠の悩みに役立てたい方
  • 胃腸の働きを整えたい方
  • 消化器系の不調による口内炎を予防したい方
  • 呼吸器系の炎症や違和感を和らげたい方
  • 口腔内の炎症を緩和したい方
  • ひび割れなどの傷や炎症を抑制したい方
  • 肌のアンチエイジングに役立てたい方
  • 日焼け後の肌の炎症をケアしたい方
  • 水虫による湿疹などの症状を緩和したい方など

ミルラ精油のおすすめの使い方

ミルラ精油は、高いリラックス効果で心に静寂をもたらすだけではなく、呼吸器や消化器の不調などにも働きかける心強いアロマです。アロマストーンなどのアイテムを取り入れると、火や電気を使わずに気軽に香りを楽しめます。

心を落ち着かせる作用に加え、スキンケアにも役立つミルラ精油は、アロマバスとして楽しむ方法もおすすめです。そのほかにも、次のような方法で、暮らしに取り入れてみましょう。

なお、植物の有効成分を高濃度に含む精油は、刺激が強く、肌に直接使用することができません。

AEAJ日本アロマ環境協会では、ボディ使用時は1%以下、フェイス使用時は0.1~0.5%以下の濃度を目安に、精油を希釈して使用するよう定めています。(0.05ml/滴)

ケアクリームで肌の修復をサポート!

炎症を抑える作用や殺菌作用で清潔を保つ効果が期待できるミルラ精油は、スキンケアの味方です。

以下のレシピを参考に、肌の修復を助けるケアクリームを作ってみましょう。手足のひび割れやあかぎれといった傷の回復をサポートし、健やかな肌に導いてくれます。

おすすめブレンドで紹介した精油と組み合わせて、自分の肌や好みに合わせたケアクリームを作るのもおすすめです。

〈ケアクリームの作り方〉完成量30g

用意するもの

・ミルラ精油…2滴

・スイートオレンジ精油…2滴

・ゼラニウム精油…1滴

・キャリアオイル…28ml

・ミツロウ…2g

・用具…ビーカー、ガラス棒、コンロ、鍋、保存容器(遮光性のビン)

  1. キャリアオイルとミツロウをビーカーに入れ、弱火で湯煎にかける。
  2. ミツロウが完全に溶けたら、ガラス棒などでよく混ぜ合わせ、火を止める。
  3. ビーカーをお湯から取り出し、粗熱が取れたら精油を加え、素早く混ぜ合わせる。
  4. 保存容器に移したら、蓋を開けたまま、完全にさめて固まるまで置いておく。

※湯煎の際は、火傷に注意してください。また、ビーカーの中にお湯が入らないように気をつけて行いましょう。

※ミツロウが付着した用具は、固まらないうちに拭き取るか、洗い流してください。

※上記はボディ用のレシピなので、顔に使う場合は0.5%以下の低濃度で作成しましょう。

※高温多湿や火気を避けて保管し、1ヶ月を目安に早めに使い切りましょう。

気軽に香りを楽しめる!フレグランスミスト

ミルラ精油は、神経の高揚を抑え、心に落ち着きをもたらす頼れるアロマです。オフィスやお出掛け先で、気軽に香りを楽しめると嬉しいですよね。そんな時は、コンパクトサイズのフレグランスミストを作成するのがおすすめです。例えば、ティッシュやハンカチに吹きかけたり、手首に吹きかけたりして香らせる使い方ができます。

好みの香りと組み合わせて、お気に入りのフレグランスミストを作ってみましょう。

〈フレグランスミストの作り方〉完成量30ml

・ミルラ精油…1滴

・ラベンダー精油…2~4滴

・水または精製水…30ml

・無水エタノール…5ml

・用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性のスプレー容器

  1. ビーカーに無水エタノールを入れ、精油を加える。
  2. ガラス棒や竹串でよく混ぜる。
  3. 水を加えてよく混ぜ合わせたら、スプレー容器に移して完成。

※よく振ってから使用してください。

※直射日光や高温多湿を避けて保管し、1~2週間以内を目安に使い切りましょう。

※香りの感じ方には個人差があるので、最初は少ない量から試し、自分が心地よいと感じる量で楽しみましょう。

※「おすすめのブレンド」で紹介した精油と組み合わせると、オリジナルスプレーが作成できます。例えば、サンダルウッドやゼラニウムとブレンドすれば、「保湿スプレー」として活用できます。

※顔に使用する場合は、精油濃度を0.5%以下に調節して作成しましょう。

ミルラ精油の禁忌事項・注意点

ミルラ精油をアロマテラピーの観点から効果的に取り入れるために、気をつけたいポイントがあります。ミルラ精油は、濃厚で長く持続する香りが特徴です。高濃度で使用すると、吐き気などの不快感を覚える場合があるため、高濃度での使用を避けて少量ずつ楽しみましょう。

スキンケアにもおすすめの精油ですが、肌タイプには個人差があるため、パッチテストなどで試しながら慎重に使うことが大切です。

また、女性ホルモンに似た働きをする成分が含まれているため、妊娠中や授乳中、生理中の使用は控えましょう。

なお、ミルラ精油は粘度が高い精油の1つです。粘土の高い精油は、ディフューザーなどの機械を詰まらせる場合があります。必ず使用前に説明書をよく読み、正しい使い方や機器と精油の相性を確認しておきましょう。

そのほか、アロマテラピーで使用する精油を扱う際に、特に注意が必要な場合もあります。「【初心者向け】アロマの始め方|揃えるもの・おすすめのアロマ・扱い方の注意点」では、精油を選ぶときや扱う際の注意点も紹介しています。こちらも参考に、安全にアロマを楽しみましょう。

最後に

今回は、古くからお香や傷薬などとして重宝されてきた、ミルラ精油についてご紹介しました。

長く持続する濃厚な香りは、個性的な印象を持たれがちですが、フローラル系や柑橘系の精油とうまく調和するアロマです。まずは、好きなアロマと組み合わせて、香りを楽しんでみてください。

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この記事を書いた人

アロマテラピー検定1級/WEBライティング実務士/
WEBライターとして活動中。セルフケアとしての「アロマテラピー」に出会い、植物の力に魅了されました。
日頃から精油やハーブを愛用しており、その魅力を多くの方に知っていただきたいと考えています。
また、「自分の綴る文章で、読む方の役に立ちたい」という想いのもと、記事執筆に取り組んでいます。記事の内容が、少しでも皆さまの「癒し」につながると幸いです。

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