フランキンセンス精油はどんな香り?効果効能とおすすめの使い方・禁忌や注意点も解説

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お家でのひと時にアロマを楽しむために、アロマテラピーで使用される精油(エッセンシャルオイル)について、もっと知りたい方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「フランキンセンス精油」の特徴や効能、おすすめの使い方などについてご紹介します。

フランキンセンスは、古くから神様に捧げる香りとしても大切にされてきました。気品ある奥深い香りが特徴で、私たちにとって嬉しい効果をたくさん持つ精油なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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目次

フランキンセンス精油の基本情報

名前フランキンセンス(乳香・オリバナム)
学名Boswellia carterii(ボスウェリア カルテリイ)
科名カンラン科
産地ソマリア、インド、エチオピア、オマーンなど
抽出部位樹脂
抽出方法水蒸気蒸留法
ノートベースノート
香りややスパイシーでミルキーなウッディ調の香り
成分α-ピネン、リモネン、ρ-シメン、ボルネオールなど

フランキンセンス精油はどんな香り?

香りの系統:バルサム系

スパイシーでありながら、心落ち着くミルキーなウッディ調の香りが特徴で、「気品」や「神秘的」という言葉が似合います。森の香り成分として有名なα-ピネンを含み、森林浴のような深い癒しを与えてくれます。

ほんの少し柑橘系のすっきり感もあり、奥行きと深みのある香りは、古くから人々に愛されてきました。現在でも、ヨガや瞑想の香りとして使われています。

フランキンセンスの歴史と特徴

フランキンセンスの木は乳香樹とも呼ばれ、暑く乾燥した地域に育ちます。乳香やオリバナムなどいくつかの呼び名を持ち、紀元前4,000年頃から長い間、香料として使われてきました。

乳香は、「新約聖書」の中で、キリスト誕生を祝う際に黄金やミルラとともに捧げられたものとして登場するほか、紀元前2,000年のエジプトでは、乳香の木を燃やした「薫香」を太陽神ラーに捧げていたそうです。

現代でも、寺院などで用いる香りとして大切にされています。

また、乳香の木は限られた地域にしか生息しないため、その樹脂は交易を行うアラビア人にとって貴重な存在だったとか。乳香の交易地として栄えたオマーン南部は、「乳香の道(土地)」として世界遺産に登録されました。

フランキンセンスという名前は、ラテン語の「良質な芳香」に由来し、気候条件などの相性が良いオマーン産の精油が上質なことで有名です。

しかし、オマーン産フランキンセンス精油の原料種は、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「準絶滅危惧」に分類されており、ここ20年程で5~8割が減少したといわれます。現在は、植樹をはじめ、種を未来に受け継ぐ取り組みが行われています。

フランキンセンス精油の効果・効能

精油の中でも古い歴史を持つフランキンセンスは、現代の私たちの暮らしもサポートしてくれる心強い精油です。ここでは、フランキンセンス精油の効果・効能をご紹介します。

フランキンセンス精油の効果・効能①:リラックス効果

森林の香で有名なα-ピネンという成分を含み、まるで森林浴を楽しんでいるかのようなリラックス状態に導いてくれます。鎮静作用があり、イライラや不安などで乱れた心も落ち着かせたいときにも使用できます。

また、自律神経の働きを整えるため、抑うつ状態にも効果的です。

安定感のある香りは、呼吸を整えてくれるため、安眠に導き疲労回復を促進するといわれます。

忙しい毎日で心が疲れたり、雑念が浮かんだりするときにも、冷静さをもたらし集中させてくれるので、古くから瞑想の香りとして使われてきました。

現在でも、サンダルウッド精油と同様、ヨガや瞑想時の芳香に使用されています。

フランキンセンス精油の効果・効能②:呼吸器トラブルの緩和

抗炎症作用や抗菌作用を持ち、呼吸器の炎症に働きかけてくれます。

痰を切る作用もあるため、咳や痰の症状には、吸入などでフランキンセンス精油を取り入れると効果的です。深く落ち着いた香りが、呼吸を深く楽にしてくれるでしょう。

また、免疫の働きを整え、強化してくれるため、季節の変わり目や花粉の時期の体調管理にも役立てたいですね。

さらに、関節痛や筋肉痛の緩和に用いられることもあります。

フランキンセンス精油の効果・効能③:スキンケア効果

乾燥、肌荒れなどの肌トラブルに加え、肌を引き締める収斂作用で、脂性肌やたるみも改善してくれます。肌にハリを与え、若々しさをサポートしてくれるフランキンセンス精油は、「若返りのオイル」として有名です。

はるか昔の古代エジプト時代には、既に老化肌のケアに使われていたという説も。

スキンローションやトリートメントオイル、クレイパックなどの方法で使用できます。

また、フランキンセンス精油が酸化ストレスを抑制し、角質細胞を保護することで老化を防ぐ可能性を示した研究報告もあります。

出典:(公社) 日本アロマ環境協会「精油が酸化ストレスを抑制し角質細胞を保護する可能性」

フランキンセンス精油のおすすめブレンド

精油はいくかの種類を組み合わせると、香りに深みが出たり、相乗効果が期待できたりするメリットがあります。一般に、リラックス効果が高いとされるフランキンセンス精油ですが、香りの感じ方には個人差があります。まずは店頭で香りを試してから購入するなど、自分が心地良いと思えるものを選んでください。

また、精油は揮発する速度が速い順に「トップノート」、「ミドルノート」、「ベースノート」という3タイプに分類できます。フランキンセンス精油はベースノートに分類されるため、香りを長く楽しみたい場合には、トップノートやミドルノートタイプの精油とバランス良く組み合わせるのがおすすめです。

ここでは、フランキンセンスとのブレンドにおすすめの精油をご紹介します。

以下を参考に、自分好みのブレンドアロマを作ってみましょう。

リラックス効果

  • ローマンカモミール
  • クラリセージ
  • サンダルウッド

スキンケアに

柑橘系の香りも好相性

  • スイートオレンジ
  • マンダリン
  • メリッサ
  • レモン

フランキンセンス精油はこのような方におすすめ

フランキンセンス精油の特徴や効果についてご紹介してきましたが、ここでは、どのような方に向いている精油なのかを具体的に挙げています。

以下を参考に、フランキンセンス精油を効果的に取り入れましょう。

  • 乱れた心を落ち着けたい方
  • 精神的な疲れを解消したい方
  • 冷静さを取り戻し、集中したい方
  • 眠りの質を高めたい方
  • 呼吸器のトラブルを緩和したい方
  • 呼吸を深めたい方
  • 免疫力を高めたい方
  • 関節痛や筋肉痛を緩和したい方
  • 肌のシワやたるみが気になる方
  • 乾燥肌や脂性肌を改善したい方
  • ニキビなどの炎症を抑えたい方など

フランキンセンス精油のおすすめの使い方

フランキンセンス精油は、ディフューザーやアロマストーンを使って香りを楽しむだけでも、リラックス効果や咳の緩和といった効果が期待できます。

しかし、「若返りのオイル」と呼ばれるほど、肌に嬉しい効果を持つアロマなので、スキンケアに取り入れるのもおすすめです。材料はアロマ専門店や通販で購入できるため、以下のおすすめの使い方を参考に、試してみてください。

なお、精油は植物の有効成分を高濃度に含むため、原液は刺激が強く肌に直接使用することができません。

必ず水やキャリアオイルなど、他の素材で薄めて使いましょう。

AEAJ日本アロマ環境協会では、ボディ使用時は1%以下、フェイス使用時は0.1~0.5%以下の濃度を目安に、精油を希釈して使用するよう定めています。(精油0.05ml/滴)

〈トリートメントオイルの作り方〉完成量30ml

シワやたるみ対策、乾燥改善など、スキンケア効果が期待できるフランキンセンス精油を使えば、肌に嬉しいトリートメントオイルが作れます。

毎日のケアに活用してみてはいかがでしょうか。

用意するもの

  • フランキンセンス精油…2滴
  • スイートオレンジ精油…3滴
  • キャリアオイル(植物油)…30ml
  • 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、遮光性の保存容器
アロマトリートメントオイルの作り方用意するもの

作り方の手順

①ビーカーにキャリアオイルを入れ、精油を加える。

トリートメントオイルの作り方-1

②ガラス棒でよく混ぜ合わせ、保存容器に移したら完成。

トリートメントオイルの作り方-2
かき混ぜる
トリートメントオイルの作り方-3
保存容器に移す
トリートメントオイルの作り方-4
完成

※キャリアオイルは、肌馴染みの良いスイートアーモンドオイルやマカデミアナッツオイルがおすすめです。その他、保湿効果の高いホホバオイルなどがあります。
※上記はボディ用のレシピですが、精油濃度を0.1~0.5%以下にすると、フェイス用として使用することもできます。肌タイプにも個人差があるため、パッチテストを行うなどして慎重に使いましょう。
※直射日光や高温多湿を避けて保管し、1ヶ月以内を目安に早めに使い切りましょう。

〈アロマスキンローションの作り方〉完成量50ml

季節の変わり目で揺らぐ肌や年齢を重ねた肌に、植物の力を役立ててみてはいかがでしょうか?

ここでは、フランキンセンス精油を使ったスキンローションの作り方をご紹介します。スキンケア効果があるアロマをいくつか組み合わせて使うのもおすすめです。

用意するもの

  • フランキンセンス精油…2滴
  • ネロリ精油…2滴
  • ラベンダー精油…1滴
  • 水または精製水…40ml
  • 無水エタノール…5ml
  • グリセリン(保湿成分)…5ml
  • 用具…ビーカー、ガラス棒(または竹串)、保存容器(遮光性のビン)

作り方の手順

①ビーカーに無水エタノールと精油を入れ、ガラス棒でよく混ぜる。

スキンローションの作り方_フランキンセンス-1
スキンローションの作り方_フランキンセンス-3
よく混ぜる

②①に水(または精製水)とグリセリンを加え、さらによく混ぜる。

スキンローションの作り方_フランキンセンス-2
水とグリセリンを加えてよく混ぜる

③遮光性のビンに移したら完成。

スキンローションの作り方_フランキンセンス-4
遮光ビンに移す
スキンローションの作り方_フランキンセンス-5
完成

※濃度0.5%のレシピなので顔にも使用できますが、肌タイプには個人差があるため、様子を見ながら慎重に使ってください。
※精油は水性の素材と混ざりにくいので、必ず最初に無水エタノールと混ぜ合わせてから、他の素材を加えましょう。
※さっぱりした使い心地がお好みの方は、グリセリンを入れずに作成してください。
※直射日光を避けて保管し、毎回容器をよく振ってから使用しましょう。
※水を使用しているため、1~2週間を目安に早めに使い切りましょう。

フランキンセンス精油の特徴まとめ

今回は、心身の健康に加え、美容にも嬉しい効果を持つフランキンセンス精油をご紹介しました。フランキンセンスの中には、絶滅の危機にある品種も存在します。

古くから愛されてきた「植物の恵み」を未来に残せるよう、精油を大切に使いましょう。

例えば、店頭で香りを試し、購入の失敗を防ぐことも精油の無駄遣い防止につながります。

アロマを自分にとって心地よく、また、環境にもやさしい方法で楽しみたいですね。

森川紋衣

私自身も、アロマを通じてこういった課題に関心を持ち、精油の選び方・使い方にも工夫をこらしたいと思います。

また、「まずはここから!アロマ初心者のための香りの楽しみ方とアロマオイルの選び方」では、アロマを選ぶときや扱う際の注意点、特に注意が必要な方についてご紹介しています。

こちらもチェックしていただき、安全にアロマを楽しんでください。

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この記事を書いた人

アロマテラピー検定1級/WEBライティング実務士/
WEBライターとして活動中。セルフケアとしての「アロマテラピー」に出会い、植物の力に魅了されました。
日頃から精油やハーブを愛用しており、その魅力を多くの方に知っていただきたいと考えています。
また、「自分の綴る文章で、読む方の役に立ちたい」という想いのもと、記事執筆に取り組んでいます。記事の内容が、少しでも皆さまの「癒し」につながると幸いです。

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