ティートリー精油は、アロマテラピーの中でもメジャーなアロマの1つです。石鹸やスキンケアアイテムにも配合され、私たちの身近な場所で広く活用されています。
また、ティートリー精油は、鼻を通り抜けるシャープで爽やかな香りが特徴で、気分転換や集中力アップをサポートしてくれる心強いアロマです。
この記事では、ティートリー精油の効果や効能、おすすめの使い方について詳しくご紹介しています。幅広い効果を持ち、さまざまな用途に活用できるアロマなので、自分に合った方法で生活に取り入れてみてください。
ティートリー精油の基本情報
名前 | ティートリー、ティーツリーなど |
学名 | Melaleuca alternifolia(メラレウカ アルテルニフォリア) |
科名 | フトモモ科 |
産地 | オーストラリア、南アフリカ、インドネシアなど |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | トップ~ミドルノート |
香り | 木々を思わせるフレッシュな香り |
成分 | テルピネン-4-オール、γ-テルピネン、1,8-シネオールなど |
ティートリー精油はどんな香り?
ティートリーの清涼感あるフレッシュな香りは、まるで森林浴をしているような気分にさせてくれます。リフレッシュしたいときや、集中力を高めたいときにピッタリの香りです。
ティートリー精油のシャープな香りが気になる場合は、他の精油に少量加えることで、ブレンドアロマに爽やかさをプラスする楽しみ方もできます。
ティートリーの特徴
ティートリーは、オーストラリア原産の常緑樹で、フトモモ科に属する植物です。日光がよく当たる場所を好み、8メートル程の高さまで成長する木には、白やピンクの小さい花が咲きます。幹を切り倒しても数年で伐採できるまでに成長する、強い生命力が特徴です。
ティートリートいう名は、オーストラリア先住民のアボリジニがお茶として飲んでいたことに由来するのだとか。
また、メディカルティーツリーという別名を持つティートリーは、古くから伝統的な万能薬としても重宝されてきました。
18世紀にイギリスの探検家キャプテン・クックが紹介したのがきっかけで、ティートリーは世界に知られるようになったそうです。
アロマテラピーで用いるティートリー精油は、松に似た葉から、水蒸気蒸留法によって抽出されます。
20世紀には精油についての研究が進み、ティートリーが持つ殺菌力などの効果が知られたことで、天然の消毒剤や虫除け剤として世界中で使われるようになりました。
ティートリー精油の効果・効能
ティートリーはスキンケアグッズなどにも配合されますが、ラベンダーやローズマリーなどのアロマと比べると、目立たない存在かもしれません。
ここでは、ティートリー精油の主な効果・効能をご紹介します。幅広い効果を持つアロマなので、暮らしのあらゆるシーンで活躍してくれるでしょう。
ティートリー精油の効果・効能①:リフレッシュ効果
木々を思わせる爽やかでシャープな香りは、リフレッシュ効果抜群です。疲れた心をすっきり前向きに切り替えたいときに取り入れるとよいでしょう。
精神的な疲労だけではなく、頭もクリアにしてくれるため、集中力や記憶力を高めたいときにも役立ちます。仕事や勉強、家事などの作業効率をアップさせたいときに、上手く活用しましょう。車を運転する際の眠気対策にもおすすめです。
ティートリー精油の効果・効能②:抗菌効果
ティートリー精油には、主成分テルピネン−4−オールをはじめ、殺菌作用や抗真菌作用を持つ成分が豊富に含まれています。ティートリーの香りを楽しむだけでも、感染症や花粉症対策に効果的です。
また、水虫の原因となる白癬菌やカビなどの幅広い菌に対して、ティートリー精油の優れた制菌作用が認められた研究が報告されています。
例えば、黒カビ対策として、水回りのお手入れにティートリー精油を使ったスプレーを取り入れるとよいでしょう。
ニオイの原因菌にも効果を発揮するため、玄関やトイレの嫌なニオイ対策や、汗のニオイ予防におすすめです。
玄関などでは、アロマディフューザーやアロマストーンを使って気軽に香りを楽しむ方法や、重曹と精油で消臭剤を作って設置する方法があります。
ティートリー精油の効果・効能③:抗炎症効果
ティートリー精油に注目した研究の中には、多くの人を悩ませるニキビに対する効果が認められたものもあります。
2007年に15歳から25歳のニキビ外来患者60人を対象に行われた研究では、ティートリー精油を希釈したジェルを使用した場合の方が、ジェルのみを使用する場合に比べてニキビの数が減少したそうです。
出典:(公社) 日本アロマ環境協会|ティートリー精油の抗ニキビ作用
ティートリー精油には殺菌作用だけではなく、炎症を鎮める抗炎症作用があるため、上記研究のようにニキビなどの肌荒れに効果を発揮すると言われています。
天然成分で肌を健やかに保ちたいときに役立つアロマです。かゆみを抑える効果も期待できるため、虫刺されなどにも活用できます。
鼻づまりや喉の炎症といった呼吸器トラブルへの効果も期待でき、風邪のひきはじめやアレルギー症状にも安心です。
実際に、ティートリー精油がアレルギー症状を引き起こす物質の産生を抑える可能性が示された報告もあります。
出典:(公社) 日本アロマ環境協会|アレルギー反応を引き起こす物質に対する精油の影響
そのほかにも、インフルエンザウイルスの増殖を抑える働きや、免疫を活性化する働きがあるとされています。
ティートリー精油は、幅広い効果が科学的に認められているため、「おすすめの使い方」を参考にしながら、芳香浴以外にもさまざまな方法で生活に取り入れるとよいでしょう。
ティートリー精油のおすすめブレンド
精油はいくつかの種類を組み合わせることで、香りに深みが出たり、相乗効果が期待できたりするメリットがあります。
ティートリー精油はシャープな香りが特徴で、香りが近い爽やかなアロマとの相性が抜群です。樹木系やハーブ系、柑橘系精油などとのブレンドを試してみましょう。
また、精油は揮発する速度が速い順に「トップノート」、「ミドルノート」、「ベースノート」という3タイプに分類できます。ティートリー精油はトップ~ミドルノートに分類されるため、香りを長く楽しみたい場合は、ミドルノートタイプやベースノートタイプの精油と組み合わせるのがおすすめです。
ここでは、ティートリー精油とのブレンドにおすすめの精油を目的別にご紹介します。
以下を参考に、自分好みのブレンドアロマを作ってみましょう。
リフレッシュ効果!抗菌・抗炎症にも◯
- ユーカリ
- サイプレス
- ペパーミント
スキンケアに
- ラベンダー
- ゼラニウム
- ローズマリー
ブレンドにおすすめの柑橘系精油
- レモン
- レモングラス
- スイートオレンジ
- マンダリン
ティートリー精油はこのような方におすすめ
ティートリー精油には、精神面に働きかける効果だけではなく、殺菌やニオイ対策などの幅広い効果があることをご紹介しました。
ここでは、具体的にどんな方におすすめなのかを挙げているため、以下を参考に、ティートリー精油をより効果的に使ってみてください。
- すっきり前向きな気分になりたい方
- 眠気を覚ましたい方
- モチベーションや集中力、記憶力を高めたい方
- 鼻水や喉の炎症などの呼吸器トラブルを楽にしたい方
- アレルギー症状を和らげたい方
- インフルエンザなどの感染症を予防したい方
- カビ対策やニオイ対策に役立てたい方
- ニキビなどの炎症を鎮めたい方
- 虫刺されなどの痒みを緩和したい方
- 水虫や頭ジラミでお悩みの方など
ティートリー精油のおすすめの使い方
ティートリー精油は、芳香浴以外にも、おすすめの使い方が多くあります。例えば、ティートリー精油を使ったアロマスプレーは、消毒や掃除などのさまざまな用途に活用できます。
「簡単!アロマスプレーの作り方|必要なものや虫除け・除菌スプレーの作り方レシピ紹介」では、アロマスプレーの作り方や必要なものについて解説しています。ぜひ、こちらを参考にティートリー精油のアロマスプレーを作ってみてください。
今回は、ティートリー精油を使ったハンドソープと消臭剤をご紹介します。
なお、精油は植物の有効成分を高濃度に含んでいるため、肌に直接つけることができません。
スキンケアとして肌に使用する場合は、必ずキャリアオイルなど、他の素材で薄めましょう。
AEAJ日本アロマ環境協会では、ボディ使用時は1%以下、フェイス使用時は0.1~0.5%以下の濃度を目安に、精油を希釈して使用するよう定めています。(精油0.05ml/滴)
アロマ除菌ハンドソープの作り方
ティートリー精油は、研究によって殺菌作用や制菌作用が認められています。ティートリー精油を使えば、除菌効果に優れたハンドソープが手作りできておすすめです。
- ティートリー精油…10滴
- ラベンダー精油…20滴
- ローズマリー精油…10滴
- 無添加せっけん…200ml前後
- 用具…ビーカー、ガラス棒(竹串でもOK)、ハンドソープ容器(遮光性)
作り方の手順
※せっけんは、液体タイプと泡タイプどちらでも大丈夫ですが、なるべくせっけん素地だけのものを選びましょう。
※使用期限は1ヶ月を目安に、早めに使い切りましょう。
※ティートリー精油やローズマリー精油は、希釈して使用する場合でも肌への刺激を感じることがあります。敏感肌の方は特に注意し、違和感を感じたときには使用を中止してください。
アロマ消臭剤の作り方
掃除などで活躍する重曹と、殺菌効果に優れたティートリー精油を組み合わせると、天然成分の消臭剤ができます。玄関やトイレのニオイ対策、下駄箱の湿気対策におすすめです。
- ティートリー精油…10滴
- 重曹…100g前後
- ジャムの空きビン
- ガーゼ
- 輪ゴム
- スプーン
作り方の手順
- ジャムなどの空きビンの8分目くらい(100g前後)まで重曹を入れます。
- お好みの精油を加え、スプーンなどでよく混ぜます。
- ビンに蓋をせず、ガーゼなど通気性の良い布を被せ、輪ゴムでとめたら完成。
※お好みの精油とブレンドして作るのもおすすめです。その場合も、精油の合計量が10滴を超えないようにしましょう。
ティートリー精油の禁忌・注意点
精油の中でも優れた抗菌作用などを持ち、日常生活に役立つティートリー精油ですが、禁忌事項を確認して、使う際には以下のような点に注意しましょう。
ティートリー精油には、ニキビなどの肌荒れを防ぐ、美容にも嬉しい効果があることをご紹介しました。
ティートリー精油は正しい希釈濃度を守れば、肌にも安心して使用できますが、稀に肌刺激を感じる場合があります。敏感肌の方やアレルギーを持つ方は特に注意し、パッチテストを行うなどして、慎重に使ってください。
精油の酸化も肌刺激の原因になるため、正しい保管方法や使用期限を守ることが大切です。
また、精油を扱う際に、特に注意が必要な場合もあります。
例えば、妊産婦の方が芳香浴以外でアロマテラピーを楽しむ際には、医師や専門家に相談の上、体調に配慮しながら行うことが大切です。
「【初心者向け】アロマの始め方|揃えるもの・おすすめのアロマ・扱い方の注意点」では、植物の有効成分を高濃度に含んだ精油を選ぶ際や扱うときの注意点をご紹介しています。ぜひ、こちらもチェックして、安全にアロマを楽しんでください。
まとめ
今回は、ティートリー精油の効果・効能や、おすすめの使い方についてご紹介しました。ティートリー精油は、菌やウイルス対策だけではなく、やる気や集中力アップなど、あらゆる場面で役立つ万能のアロマです。
ティートリー精油独特のシャープな香りが気になる場合は、柑橘系精油などとのブレンドを楽しむのもよいでしょう。
お気に入りの方法で、ティートリー精油を役立ててみてください。