忙しい毎日で、心や身体が疲れていませんか?そんな時には、アロマをセルフケアに役立てるのがおすすめです。
この記事では、リラックス効果や女性特有の不調緩和に効果的な、クラリセージ精油の特徴や効果についてご紹介しています。
アロマの中でも扱いやすいタイプの精油なので、ぜひ日常にそのパワーを取り入れてみてください。
クラリセージ精油の基本情報
名前 | クラリセージ |
---|---|
学名 | Salvia sclarea(サルウィア スクラレア) |
科名 | シソ科 |
産地 | ハンガリー、フランス、ブルガリアなど |
抽出部位 | 花・葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドルノート |
香り | 爽やかなハーバル感の中に、甘い紅茶をイメージするような香り |
成分 | 酢酸リナリル、リナロール、スクラレオールなど |
クラリセージ精油はどんな香り?
香りの系統:ハーブ系
シソ科のハーブであるクラリセージの花や葉から得られる精油は、爽やかさの中に、奥深い甘さを感じる香りです。含有する「スクラレオール」という成分が、特有の甘い香りを特徴づけています。
陶酔するような強い香りが特徴的なので、使用する量に注意して香りを楽しみましょう。
クラリセージ精油の歴史
クラリセージは、「オニサルビア」という別名を持ち、草丈が1m程に成長する、ハーブ界では大型の植物です。南ヨーロッパ原産の2年草で、その精油は古くから人々の暮らしに寄り添ってきました。2,000年以上前、ケルト人は心を穏やかに保つために、宗教儀式の前にクラリセージのハーブティーを楽しんでいたと言われています。
また、中世では、クラリセージの種子を煎じた液を目につけると、視界がはっきりするとして重宝されました。「クラリ」という名前は、ラテン語の「clarus(クラルス・明るい)」に由来するという説もあります。
中世後期のドイツでは、マスカットワインの香りづけに使用されたため、「マスカット・セージ」とも呼ばれます。なお、植物やアロマテラピー分野の研究が進んだ現代では、クラリセージ精油に陶酔させる作用があることも分かり、飲酒前後に使用すると、悪酔いの原因になる場合があるため、使うシーンに注意しましょう。
クラリセージ精油の効果・効能
クラリセージは、アロマテラピーで使用される精油の中でも、使いやすいものの一つに数えられます。次のような効果・効能を知って、日頃の生活の中で役立ててみてはいかがでしょうか。
クラリセージ精油の効果・効能①:幸せホルモンの分泌を促す
幸せホルモン「オキシトシン」の分泌を促し、幸福感をもたらす強壮作用があり、気持ちを穏やかにしたり、ポジティブな気持ちに導いたりしてくれます。
また、クラリセージ精油には、「酢酸リナリル」や「リナロール」という成分が多く含まれています。これらは、高いリラックス効果で知られる「ラベンダー精油」にも多く含まれており、鎮静作用で副交感神経の働きを優位にするため、ストレスによる不安や緊張を感じる時にも効果的です。気が張ってなかなか眠れない時には、少量のクラリセージ精油で芳香浴を行うと良いでしょう。
抗うつ作用もあるとされており、揺らぎがちな心をやさしくサポートし、感情の起伏を穏やかにしてくれるアロマです。
クラリセージ精油の効果・効能②:身体のコリや痛みを緩和
「リナロール」には、身体の痛みを鎮める「鎮痛作用」や筋肉をゆるめる働きもあります。そのため、不安や緊張、蓄積した疲労で身体が強張っている時に、全身のコリにアプローチしてくれるだけではなく、頭痛や月経痛など、身体の幅広い痛みにも効果的です。
疲労や痛みを感じて辛い場面でクラリセージ精油を使うと、心と身体をゆるめ、癒してくれるでしょう。
クラリセージ精油の効果・効能③:ホルモンバランスを整える
クラリセージ精油に含まれる「スクラレオール」という成分には、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きがあり、ホルモンの乱れによる女性特有の不調に効果を発揮します。
PMS(月経前症候群)、更年期、月経不順などの症状を緩和したい時、ホルモンバランスの乱れによる肌荒れを解消したい時にも効果的です。
ただし、女性ホルモンの働きに影響を与えるクラリセージ精油は、妊娠中に使用すると出産に影響を及ぼす可能性があるため、分娩時を除き、特に芳香浴以外で使用することは控えましょう。
クラリセージ精油の効果・効能④:皮脂分泌機能を調整
皮脂分泌量を整えてくれる働きがあり、毛穴も引き締めてくれるので、クレイパックや化粧水として、夏場のスキンケアに使用するのもおすすめです。また、月経前や思春期に皮脂量バランスが乱れ、肌が荒れてしまった時にも向いています。
頭皮トラブルにも効果的で、頭皮のベタつきやフケの予防、毛量が気になる時にも役立てることができます。
クラリセージ精油のおすすめのブレンド
上記のように、クラリセージ精油には、毎日頑張る私たちをやさしく癒してくれる効果があり、特にリラックスタイムに使用するのが効果的です。
お好みの精油と組み合わせて、自分だけのブレンドアロマを作るのも良いでしょう。
クラリセージは、睡眠との相性も良い精油ですが、精油の中には交感神経に作用して目を覚ますものもあるので、就寝前や就寝中に使用する場合は、組み合わせる精油に注意しましょう。
ここでは、クラリセージ精油とのブレンドにおすすめの精油を目的別にご紹介しています。
その他にも、柑橘系精油とも香りの相性が良いので、ぜひ試してみてください。
女性特有の不調改善&リラックス効果
- ラベンダー
- ゼラニウム
- ローマンカモミール
心身の疲労回復に
- サイプレス
- ジュニパーペリー
- サンダルウッド
なお、精油は揮発する速度が速い順に「トップノート」、「ミドルノート」、「ベースノート」という3つのタイプに分類でき、それぞれをバランスよく組み合わせるのもブレンドのコツです。クラリセージは、ミドルノートタイプの精油なので、香りを長く楽しみたい場合には、ベースノートタイプの精油と組み合わせると良いでしょう。
クラリセージ精油はこんな方におすすめ
クラリセージ精油の様々な効果や効能、おすすめのブレンドについてお伝えしましたが、ここでは、具体的にどんな方におすすめなのかをまとめています。
以下を参考に、日常生活の中で、効果的にクラリセージ精油を活用してみてください。
- 悲しみや緊張、不安を緩和したい方
- 憂鬱な気分を和らげたい方
- 幸福感に包まれたい方
- PMSや更年期で不安定な気持ちを改善したい方
- 無月経、過少月経、PMS、更年期など女性特有の不調を緩和したい
- コリなどの全身の疲れを緩和したい方
- 頭痛や筋肉痛などの身体の痛みを改善したい方
- ホルモンバランスの乱れによる肌荒れを改善したい方
- 皮脂バランスを整え、思春期ニキビなどを改善したい方
- 頭皮のベタつきを改善したい方
- フケを予防したい方など
クラリセージ精油のおすすめの使い方
クラリセージ精油は、疲労回復や女性特有の悩みの緩和、スキンケアにも役立てることができる、特に女性にとって心強いアロマです。
以下のようなおすすめの使い方を参考に、毎日の体調サポートやケアにクラリセージ精油を取り入れ、心と身体を癒してみてはいかがでしょうか?
トリートメントオイルに!眠れない時にも◎
疲労回復やスキンケアにも効果的なクラリセージ精油は、トリートメントやマッサージに使用するのがおすすめです。
以下の要領でトリートメントオイルを作っておけば、お疲れの日もアロマの香りに包まれて、心地よいケアができるでしょう。
なお、精油は植物の有効成分を高濃度に含んでいるため、肌に直接使用することができません。必ず、キャリアオイルや精製水など、他の素材で希釈してから使いましょう。
AEAJ日本アロマ環境協会では、ボディ使用時は1%以下、フェイス使用時は0.1~0.5%以下の濃度を目安に、精油を希釈するように定めています。(精油0.05ml/滴)
〈ボディ用アロマトリートメントオイルの作り方〉完成量30ml
[su_box title=”用意するもの” box_color=”#5c6d35″]
- クラリセージ精油…2滴
- ラベンダー精油…3滴
- キャリアオイル(ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなど)…30ml
- 用具…ビーカー、ガラス棒、保存容器(遮光性のビン)
- ビーカーにキャリアオイルを入れ、精油を加えます。
- ガラス棒でよく混ぜたら、保存容器に移して完成。
※精油の希釈濃度を守って作成しましょう。香りの感じ方には個人差があるため、場合によって精油の量を減らすなど、心地よいと感じる量で楽しんでください。また、肌のタイプも人それぞれなので、パッチテストなどで試してから使用しましょう。
※使用期限は1ヶ月を目安に、早めに使い切りましょう。
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リラックス効果を高めたい場合には、トリートメントオイルを使ってハンドマッサージを行うのがおすすめです。
手をマッサージすると、副交感神経の働きが優位になり、自律神経のバランスが整うため、リラックスできると言われています。また、血流が促進されるため、免疫力の向上にも効果的です。クラリセージ精油の働きによる相乗効果で、より癒されること間違いなしです。
さらに、眠れない時には、クラリセージ精油数滴と無水エタノール5mlを混ぜ合わせたものを洗面器のお湯に入れて、手浴を行うのもおすすめです。
精油は水に溶けないので、必ず無水エタノールと混ぜてからお湯に加えましょう。
アロマバームで気軽に保湿&リラックス
アロマバームは、乾燥が気になる部分の保湿に使用するのがおすすめです。少量を持ち運ぶと、いつでもどこでも気軽にケアできます。
女性特有のお悩みに効果的なクラリセージ精油を使ったバームは、定期的にやってくる不調にも対応してくれるので、仕事中や外出時に手元にあると安心ですね。
〈アロマバームの作り方〉完成量30g
用意するもの
- クラリセージ精油…1滴
- ゼラニウム精油…1滴
- スイートオレンジ精油…1滴
- キャリアオイル…25ml
- ミツロウ…5g
- 用具…ビーカー、ガラス棒、コンロ、鍋、保存容器(遮光性のビン)
作り方の手順
①キャリアオイルとミツロウをビーカーに入れ、弱火で湯煎にかける。
②ミツロウが完全に溶けたら、ガラス棒などでよく混ぜ合わせ、火を止める。
③ビーカーをお湯から取り出し、粗熱が取れたら精油を加え、素早く混ぜ合わせる。
④保存容器に移したら蓋を開けたまま、完全にさめて固まるまで置いておく。
※湯煎の際は、火傷に注意してください。また、ビーカーの中にお湯が入らないように気をつけて行いましょう。
※ミツロウが付着した用具は、固まらないうちに拭き取るか、洗い流してください。
※高温多湿や火器を避けて保管し、1ヶ月を目安に早めに使い切りましょう。
クラリセージ精油を扱う際の禁忌・注意点
精油は、天然植物だけでできたオイルですが、全ての人が安全に使用できる訳ではありません。クラリセージ精油にも、次のような禁忌・注意すべき点があります。
まず、女性ホルモン「エストロゲン」に似た作用があるため、妊娠中の方や月経量が多い方は、芳香浴以外で使用するのは控えてください。
また、鎮静作用に優れているため、車の運転などの集中力が求められる作業前の使用も避けましょう。
香りが強いため、高濃度の使用や長時間の使用は、頭痛や吐き気の原因になることがあります。少量から試し、心地よいと感じる程度に楽しみましょう。
クラリセージ精油の特徴まとめ
悪酔いにつながるため、飲酒前後の使用は避けてください。
クラリセージ精油も、正しい方法で使用すれば、私たちの心と身体に良い働きをしてくれる心強いアロマなので、注意点を理解した上で活用しましょう。
なお、「まずはここから!アロマ初心者のための香りの楽しみ方とアロマオイルの選び方」では、アロマを選ぶ時や扱う際の注意点、特に注意が必要な方についてご紹介しています。
こちらもチェックした上で、安全にアロマを楽しんでください。
今回は、クラリセージ精油についてご紹介しました。最近では、クラリセージが使われた市販のブレンド精油も多く見かけます。
リラックスタイムや不調を感じた際のお守りアイテムとして、クラリセージ精油を活用してみてはいかがでしょうか。